Kavli IPMUとカナダTRIUMF研究所、共同で研究者を採用

2013年7月16日
東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) はカナダのトライアンフ研究所(国立素粒子原子核物理研究所、TRIUMF)と共同で世界トップレベルの研究者を雇用し、その研究を支援する研究職ポストを設けることになり、同ポストの研究者として2013年6月16日、マーク・ハーツ(Mark Hartz)特任助教がKavli IPMUに着任しました。

この共同研究職ポストは2017年3月までの任期中75%をKavli IPMU、25%をTRIUMFで研究活動を行った後、審査を経て、いずれかの機関の研究職に就くことを選択できるもので、二つの国の文化と研究所の垣根を越えた研究活動はKavli IPMUとTRIUMF双方の研究所にとって大きな利益をもたらすことが期待されています。

Kavli IPMUの村山斉機構長はハーツ特任助教の着任を受けて、「私たちに素晴らしい仲間が加わりました。マーク・ハーツ氏の参加により、日本の主要な素粒子物理学実験のひとつであるT2K実験でKavli IPMUがより重要な役割を果たすことになります。Kavli IPMUにはすでに多くの外国人研究者が快適で創造的な研究活動を行っている実績があります。ハーツ氏が研究環境の整ったKavli IPMUで天文学者や数学者などと分野を超えた交流を行い、Kavli IPMUで研究を続けることを確信しています」と語りました。

またTRIUMFのナイジェル・S・ロックヤー(Nigel S. Lockyer)所長は今回の共同研究職ポストについて「私たちは、世界のトップレベルの研究者を集め研究体制を強化するため、競争力のある、国境を越えた共同のポジションを必要としています。日本でもマーク・ハーツ氏が価値のある人材と認められた事を嬉しく思います。またカナダは彼が世界レベルの研究を続ける場所として最適であると信じています」とのコメントを寄せています。

マーク・ハーツ特任助教はカナダのヨーク大学とトロント大学の博士研究員として、ニュートリノが長い距離を飛んだ際の振る舞いを調べるT2K(Tokai to Kamioka)実験のビームラインや検出器の開発、データ解析などの研究に携わってきました。ハーツ特任助教の着任により、T2K実験においてKavli IPMUがより一層の貢献を果たすことが期待されています。

トライアンフ研究所によるニュースリリース(英語)はこちら

本件についてのお問い合わせ先

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構広報担当 大林/土方
電話: 04-7136-5974 / 5977
e-mail: press@ipmu.jp 

TRIUMF研究所について

カナダ国立の素粒子原子核物理研究所。
カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のキャンパス内に位置し、カナダ政府による運営支援と、ブリティッシュコロンビア州政府による資金援助を受け、カナダ国内の複数の大学による共同事業として運営を行っている。

詳細は http://www.triumf.ca を参照。 

T2K実験について

ニュートリノが長い距離を飛行する間に種類が変わる、「ニュートリノ振動」と呼ばれる現象を探索するための国際共同実験。強力なミュー型ニュートリノを茨城県東海村のJ-PARC加速器を用いて生成し、約300km離れた岐阜県飛騨市のスーパーカミオカンデを用いて、ニュートリノの種類の変化を観測する。また、J-PARC敷地内の前置検出器 ND280 ではニュートリノの変化前の状態を測定する。前置検出器とスーパーカミオカンデでとらえたニュートリノの強度と種類等を比較し、ニュートリノの性質を追究する。

詳細は http://t2k-experiment.org/ja を参照。