Kavli IPMUと統計数理研究所が研究協力に関する協定を締結

2016年1月5日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

 

2016年1月5日、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)と、大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所(統数研)は、Kavli IPMUで協定締結の調印式を行い研究協力に関する協定を締結しました。
 

  • 協定の趣旨

Kavli IPMUと統数研は、天文学・宇宙物理学と統計学・機械学習等の分野における諸活動を相互対等の基盤に立って促進し、学術及び科学技術の発展への寄与を目指し研究交流の促進を図るため、研究協力に関する協定を締結しました。統数研では、2010年度から、新しい科学的方法論(第4の科学)の確立と異分野交流のハブの役割およびネットワーク型という新しい共同研究スタイルを目指す「NOE(Network Of Excellence)形成事業 (注1)」を推進しています。今回の協定においても「NOE形成事業に係る活動の推進」を掲げています (参照:協定の概要)。統数研は大学共同利用機関としてネットワークの拠点・ハブの役割を担うことで、引き続き共同研究だけにとどまらない分野を超えた融合研究や新しい学問領域の創成の活性化を進めてまいります。なお、本協定では、大規模化する宇宙観測によるビッグデータと情報統計学を融合させた新領域「統計計算宇宙物理学」の推進という目標に向けて協働していきます。

  • 協定締結の背景と経緯

Kavli IPMUは、「宇宙は何で出来ているのか」など宇宙への根源的な問いに答えるため設立された国際的研究機関です。数学、物理学、天文学の研究者が集い、国際的かつ学際的な研究を行っています。統数研は、データ同化研究開発、統計的機械学習の分野において「宇宙科学データ同化」や「スパースモデリングの深化と応用」等の宇宙科学系のプロジェクトを実施しています。両機関はこれまでも、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)「広域撮像探査観測のビッグデータ分析による統計計算宇宙物理学」において、機械学習、統計数理、シミュレーションを駆使した融合研究プロジェクトを共同で行うなど、研究交流がありました。

  • 協定の概要

(1) 天文学・宇宙物理学と統計学・機械学習等の共同研究の推進
(2) 研究施設・設備の相互利用に関する協力
(3) 研究者の交流と関連する研究成果等の情報交換
(4) 学術資料、刊行物及び情報の交換
(5) 講演会、研究フォーラム、国内・国際シンポジウム等学術的行事の共同開催又は招待
(6) 統計数理研究所 NOE(Network Of Excellence)形成事業に係る活動の推進
(7) その他本協定の目的を達成するため、双方が必要と認める協カ

 

報道対応
国立大学法人 東京大学 国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構
広報担当 小森真里奈
TEL: 04-7136-5977
E-mail: press_at_ipmu.jp
*_at_を@に変更してください

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所
運営企画本部 URAステーション 北村浩三
TEL: 050-5533-8580
E-mail: ask-ura_at_ism.ac.jp
*_at_を@に変更してください
 

用語解説
(注1) NOE(Network Of Excellence)形成事業について
統数研では、2010年度から、リスク科学、次世代シミュレーション、調査科学、統計的機械学習およびサービス科学の5つの研究領域に関してNOEを形成し、これらの研究分野における新しい科学的方法論(第4の科学)の確立と、異分野交流のハブの役割を果たすこと、そして、ネットワーク型という新しい共同研究のスタイル作りを目指しています。国内外の産官学の研究機関と協定締結を推進するなど相互の連携を深めながら研究活動を展開するとともに、上述の5つの個別研究分野だけによらない分野をまたぐ協定をもとに、さまざまな異分野交流や新研究領域の創発に努めています。
事業ホームページ:http://www.ism.ac.jp/noe/


機関概要
東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構
Kavli IPMUは、宇宙への根源的な疑問に答えるために設立された国際的研究機関です。2007年10月に東京大学をホスト機関とし、数物連携宇宙研究機構(IPMU)として文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択されて発足しました。2011年1月には東京大学国際高等研究所が設立され、IPMU はその最初の研究機構として認定されました。さらに、2012年4月には東京大学が米国カブリ財団による寄附を受けたことにより、カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)となりました。2015年4月現在、Kavli IPMUには85名の常勤研究者が在籍しており、物理学、数学および天文学の研究者が研究を行っています。(http://www.ipmu.jp

統計数理研究所
統数研は1944年に文部省直轄の研究所として設置され、統計数理研究の中心的な研究機関として、その発展のための先駆的役割を果たしてきました。1985年に大学共同利用機関として改組され、2004年からは大学共同利用機関法人情報・システム研究機構の一員となり、共同利用を推進する立場として、研究所内外の研究者の交流の場を提供しながら、統計科学の理論と応用における多面的な発展に寄与しています。これまで極めて広い分野の研究者に開かれた研究所として、国内はもとより国際的にも多種多様な共同研究活動を飛躍的に発展させ、世界をリードする成果をあげてきました。また、総合研究大学院大学の基盤機関として、若手研究者の育成に取り組みながら、一般社会人等を対象とする統計科学の知識や技術の普及活動や国際的な研究協力・交流促進の機能を果たすよう努めています。(http://www.ism.ac.jp