大栗博司主任研究員、アスペン物理学研究所のプレジデントに選出


2016年7月13日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)
 

2016年7月12日、アスペン物理学研究所の理事会において、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) 主任研究員の大栗博司 (おおぐりひろし) カリフォルニア工科大学教授がアスペン物理学研究所のトップであるプレジデントに選出されました。

アスペン物理学研究所は、物理学者に研究に専念できる環境を与え、自由な発想のもと、分野の垣根を超えて議論することで新たな研究の方向性を生み出すことを目的として、1962年に設立されました。米国有数のリゾート地であるコロラド州アスペンに位置し、約1000人もの世界各国の物理学者が滞在して研究を行う世界的な物理学研究施設の一つです。物理学者の会員と理事からなる非営利法人が運営しており、どこの大学にも所属していない研究所というユニークな体制が特徴で、大栗主任研究員は、2003年からアスペン物理学研究所の会員となり、2011年から理事をつとめてきました。

アスペン物理学研究所は、過去半世紀の物理学の歴史において、いくつもの重要な発見の舞台となってきました。特に、理論物理学者のジョン・シュワルツ氏とマイケル・グリーン氏がアスペンで発見した「アノマリー相殺機構」は、電子などの素粒子の性質を超弦理論から導くときの困難を解消し、「超弦理論革命」と呼ばれる爆発的発展のきっかけとなりました。

大栗氏は今回の選出に際し、「私がアスペンに初めて行ったのは1989年で、以来30年近く毎年のようにアスペンに行って、そこでひらめいたアイデアから数多くの研究成果を得ることができました。そのおかげで私の研究人生は豊かなものになったので、恩返しをする機会をいただいたと思っています」とコメントしています。
 

関連リンク
アスペン物理学研究所のホームページ(英語)
http://www.aspenphys.org/
大栗博司氏のホームページ
http://ooguri.caltech.edu/japanese