吉田直紀特任教授が第13回の日本学術振興会賞を受賞

2016年12月27日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)
 

2016年12月27日、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) 特任教授を兼ねる吉田直紀 (よしだなおき) 東京大学大学院理学系研究科教授が第13回の日本学術振興会賞を受賞することが発表されました。授賞式は2017年2月8日 (水) に日本学士院 (東京都台東区) で開催される予定です。

日本学術振興会賞は、人文・社会科学及び自然科学の全分野における優れた研究業績をあげた若手研究者 (45歳未満) を顕彰・支援し、日本の研究水準を世界トップレベルに発展させることを目的として2004年度に設立された賞です。今回は25名の若手研究者が受賞者として選ばれています。

吉田特任教授の受賞理由は「大規模数値シミュレーションに基づく初期宇宙での構造形成の研究」で、これまでに行ってきた大規模データ用いた初期宇宙の構造形成や進化、初代星形成のシミュレーション研究、さらには共同研究者と行った GADGET というシミュレーションコード開発の実績が評価されたものです。こうした吉田特任教授のシミュレーション研究の数々は、天文観測研究の分野にも大きな影響を与えてきました。

受賞にあたり、吉田特任教授は「このような素晴らしい賞をいただき大変光栄です。Kavli IPMU ですすめてきた初期宇宙での天体形成に関する研究をご評価いただいたとのことで、これからもますます研究に励みたいと思います」と述べています。
 

吉田直紀氏 略歴
1996年 東京大学工学部卒
1998年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
1998年 スウェーデン王立工科大学工学系研究科修士課程修了
2001年 ハーバード大学天文学科博士研究員
2002年 マックスプランク宇宙物理学研究所博士課程修了
2002年 Ph.D.(天文学)の学位取得(ミュンヘン大学)
2003年 日本学術振興会特別研究員-SPD
2004年 名古屋大学理学研究科助手
2008年 東京大学数物連携宇宙研究機構特任准教授
2012年 東京大学大学院理学系研究科教授
2014年 科学技術振興機構CREST研究代表者
2014年 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任教授
 

主な受賞歴
2006年 日本天文学会研究奨励賞
2008年 IUPAP若手科学者賞
(International Union of Pure and Applied Physics Young Scientist Prize)

関連リンク
日本学術振興会賞のページ

関連記事
Kavli IPMU News Vol.27 (September 2014)
Feature 吉田直紀「宇宙の構造形成のコンピューターシミュレーション」
http://www.ipmu.jp/sites/default/files/webfm/pdfs/news27/J02_FEATURE.pdf

はてな宇宙 (研究解説動画) 吉田直紀 「第5回:宇宙の構造形成」
http://www.ipmu.jp/ja/node/440

天文学と統計学の融合による、統計計算宇宙物理学の創出 -「手のひらから広がる100億光年先の触れる宇宙」を目指す、CRESTプロジェクト始動 -

IPMU大栗博司主任研究員フンボルト賞受賞 / 吉田直紀・小松英一郎氏もIUPAP若手賞受賞