阿部知行准教授、2017年度数学会春季賞を受賞

2017年3月24日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構の阿部知行(あべ ともゆき)准教授が日本数学会の2017年度春季賞を受賞しました。授賞式は3月25日、東京都の首都大学東京で開催中の日本数学会年会にて執り行われます。

日本数学会春季賞は、1973年に創設された彌永賞を前身として1988年に創設された賞で、日本数学会会員で40歳未満の優れた業績を上げた数学者に毎年贈られます。

正標数の代数多様体のコホモロジー論には、大きく分けて位相的なものと解析的なものの2つのコホモロジー論が知られています。この2つのコホモロジー論はある意味で似た情報を持っていることがドリーニュによって予想されています.阿部准教授は「解析的なコホモロジー」の一種である数論的D加群の理論を用いてラングランズ型の対応を構成することで、ドリーニュの予想の一部を体現しました。難解な内容ですが、Kavli IPMU News No. 35の解説(36 - 41ページ)からその一端をうかがうことができます。

受賞題目

数論的D加群の理論とラングランズ対応の研究

阿部知行准教授 略歴

2006年 3月 東京大学理学部数学科卒業
2008年 3月 東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了
2011年 3月 東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了
2011年 4月 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任助教
2016年 1月 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任准教授
2016年 7月~現在 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構准教授

主な受賞歴

平成25年度文部科学大臣表彰 若手科学者賞

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