Kavli IPMU に寄附研究部門を設置した浜松ホトニクス株式会社が平成29年度「東京大学稷門賞」を受賞

2017年12月12日
東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)
 

2017年10月10日 (火)、東京大学本郷キャンパスの伊藤謝恩ホールにて平成29年度「東京大学稷門賞」授賞式が挙行されました。稷門 (しょくもん) 賞 (※注1) は、私財の寄附、ボランティア活動及び援助等により、東京大学の活動の発展に大きく貢献した個人、法人又は団体に授与されるもので、平成14年 (2002年) 度より行われています。

今年度は、カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) へ寄附を投じ、宇宙のダークマター・ダークエネルギーの探索や宇宙の成り立ちとその発展の研究を推進する「宇宙のダークサイド(浜松ホトニクス) 」寄附研究部門の設置に貢献した、浜松ホトニクス株式会社が受賞団体の一つに選ばれました。

浜松ホトニクス株式会社の晝馬明 (ひるまあきら) 代表取締役社長は授賞式の挨拶の中で、浜松ホトニクスは特に「光電変換技術」を全うしようとする研究開発型の企業として65年の研究の歴史のなかで世界に追いつこうと努力し、世界に追いついてから今度は「人類未知未踏」に挑戦してきたこと。「人類未知未踏」を考えるとそれは「宇宙」で、「宇宙というものは何か」「宇宙はどうやってはじまったのか」は人類にとって「大切」且つその研究が最も基本的な学問だと考えていること。その想いのもと、これも「人類未知未踏」への第一歩になるとして寄附研究部門を設けたことを述べました。そして、東京大学が基礎研究の進展に大いに注力していくことを要望しました。

今回の稷門賞受賞は、基礎科学である素粒子物理学や宇宙物理学への寄附研究部門は東京大学で初めてであること、冠教授として設けられた「浜松プロフェッサー (※注2) 」による精力的な研究論文発表、研究成果講演の実施により企業技術者・研究者との交流が続いているというこれらの点が、東京大学の活動の発展にとって顕著な功績と認められたものです。

Kavli IPMU に関連する稷門賞受賞は過去に、Kavli IPMU へ寄附を行い IPMU が Kavli IPMU と改称しカブリ研究所の一つとなる契機となった2012年の米国カブリ財団会長フレッド・カブリ氏の受賞があります。今回の浜松ホトニクス株式会社の稷門賞受賞は Kavli IPMU に関連する取り組みへの授与としては2回目となります。

※注1)  稷門賞の「稷門」の意味については東京大学の稷門賞一覧のページをご覧ください。

※注2) 2014年4月から2017年3月まで Kavli IPMU の野本憲一 (のもとけんいち) 特任教授 (現:上級科学研究員) が浜松プロフェッサーを務め、2017年4月からは柳田勉 (やなぎだつとむ) 特任教授が務めています。


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