1月21日 第3回Kavli IPMU/ELSI 合同一般講演会「起源への問い」

2017年12月26日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

2018年1月21日、東工大蔵前会館 くらまえホールにおいて第3回目となる東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)と東京工業大学地球生命研究所(ELSI)との合同一般講演会「起源への問い」を開催いたします。

宇宙・地球・生命..その起こりはどのようなものだったのでしょう。私たちは歴史のなかで、たえずこの問いに向き合ってきました。
本講演会では宇宙・地球・生命の起源について、今どこまで解き明かされているかその最先端のサイエンスをわかりやすくお話しするとともに、起源を問うとはどういうことなのかという根源的な話題について、サイエンティストと芸術学の専門家が対話します。

講演会の詳細、会場案内についてはELSIの講演会ホームページをご参照ください。

概要

日 時: 2018年1月21日(日)13:00~16:40(開場12:30)
会 場: 東工大蔵前会館 くらまえホール
東京都目黒区大岡山2-12-1
主 催: 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構・東京工業大学地球生命研究所
対 象: 高校生以上
参加費: 無料
定 員: 300名

応募多数の場合は抽選となります。

申込: ELSIの講演会ホームページ(応募締切は1月18日)
問合せ:  

03-5734-3163 / Email: pr_at_elsi.jp(ELSI 広報)
*_at_を@に変えてお送りください

プログラム


13:10-13:50

講演1:

宇宙の始まりに迫る

講師:杉山 直 (名古屋大学大学院理学研究科・研究科長・教授, 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構・主任研究員)
専門:宇宙論

現在の宇宙は、惑星、星、銀河、そして銀河の集団である銀河団や大規模構造など豊富な構造に彩られています。しかし、宇宙の始まりは、それとは全く異なった、とても熱く密度の高い、ビッグバンと呼ばれる状態でした。ビッグバンからどのように構造が生まれてきたのでしょうか。遠方の宇宙を観測すると、過去の宇宙、つまり生まれて間もない宇宙を直接見ることが可能となります。観測と理論の両輪によって、ビッグバンからどのように構造が生まれてきたのかが、明らかになってきました。さらに理論研究によって、ビッグバンの始まりでは何が起きていたのかさえ明かされようとしています。本講演では、宇宙の始まりから現在に至る138億年の歴史を解説します。


13:55~14:35

講演2:

地球外生命~地球中心主義からの解放-系外惑星、氷衛星~

講師:井田 茂 (東京工業大学地球生命研究所・副所長・教授)
専門:惑星形成論

2017年2月にNASAが大々的に「太陽系外の惑星に関する重大発表」の予告をし、その2ヶ月後には「地球外生命に関わる重大発表」の予告をしました。
「ついに宇宙人を発見か?」とネットでは話題になりました。しかし、発表内容を聞いた人々の多くは、肩透かし感を抱いたのではないかと思います。一般の人々がそう思ったのは当然のことです。地球外生命体に関する科学的議論は20世紀のほぼ100年にわたってタブーとして封印されていました。しかし、100年の間に科学は発展しており、さらに地球外生命の議論は20世紀末に封印が解かれ、21世紀に入ると猛烈な展開をしてきました。もはや地球のアナロジーで考えることは時代遅れとなり、地球中心主義から解放された現代的な考えが主流となっていて、実はNASAの発表はそのラインに乗っています。
科学の現場において、地球外生命の議論が今どうなっているのか、ホットな現場を紹介したいと思います


14:55~15:35

講演3:

かたちが生まれるとき~芸術学から考えるリズムと身体~

講師:伊藤 亜紗 (東京工業大学リベラルアーツ研究教育院・准教授)
専門:芸術学

混沌のなかから「かたち」が浮かび上がること----起源はしばしばそのようにとらえられてきました。このような「かたち」のうち、時間的なものが「リズム」です。リズムは、芸術作品が生まれるときや、人が身体運動を獲得するときに、重要な役割を果たします。本発表では、このリズムの力について、哲学や芸術学の観点から考えます。 たとえば、フランスの詩人ポール・ヴァレリーは、まずリズムを思いついてから、そこに言葉をあてはめるようにして詩を作ると言います。あるいは吃音でしゃべりがコントロールできない人は、歌を歌いながらだと、どもりが出ません。このように、リズムに「ノる」とき、私たちは自分でも思いがけないような作品や、なめらかな運動を生み出します。けれども一方で、過剰なリズムは、人間の自由を「乗っ取る」という側面も持っています。「ノる/乗っ取られる」の両面から、人間とリズムの付き合い方を考えてみましょう。


15:40~16:10

鼎談:

起源を問うとはどういうことか


16:10~16:40

講師を囲んでティータイム