大栗博司機構長が超弦理論国際会議 Strings 2021 で総括講演

2021年7月9日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) の大栗博司 (おおぐり ひろし) 機構長は、世界中の超弦理論研究者が一同に会する国際会議 Strings の2021年大会である Strings 2021 において、総括講演(summary talk)を行いました。 Strings 2021 は、ブラジルのサンパウロに位置し南米の理論物理学の拠点研究所である ICTP-SAIFR が主催し、2021年6月21日から7月2日の2週間にわたりオンラインで開催されました。2,600名以上の研究者が参加し、100件もの研究講演が行われました。超弦理論に関係するブラックホールの情報損失問題や近年注目される量子情報の話題、宇宙論と超弦理論とを連携させた研究や、沼地問題と素粒子現象論との関係に焦点をあてたものなど、様々な研究トピックの紹介や研究の進展に関するレビューが行われました。そのほか、Strings 2021 参加研究者による一般講演会や若い研究者によるポスターセッション、世代の異なる4名の超弦理論の女性研究者が主導する形で女性研究者の研究環境に関する議論なども行われました。大栗機構長は、超弦理論の2020年から2021年の研究動向の総まとめを行い、超弦理論コミュニティにおける今後の方向性を示す貢献を果たしました。
 

String2021の統括講演者に選ばれ講演を行ったことについて大栗機構長は下記のように述べています。

「今回の Strings 会議は、オンラインでの開催にもかかわらず、ディスカッション・セッションやチームコミュニケーションツールなどが巧みに活用され、研究者の交流が促進されていました。私は Strings 2004、2008、2012で総括講演を行い、今回で4回目になります。超弦理論の発展の全貌を把握するよい機会にもなりましたので、これを今後の研究にも生かしていきたいと思います。」
 

 

関連リンク
Strings 2021のウェブサイト

総括講演のビデオ