Profile 01:Alexey Tolstov (アレクセイ・トルストフ)


名前:Alexey Tolstov (アレクセイ・トルストフ)
出身地:ロシア連邦, チェレポベツ市
職位:Kavli IPMU 特任研究員

おすすめの書籍:”Foundations of Radiation Hydrodynamics” (著:D. Mihalas and B. W. Mihalas)
日本で好きな場所:銀閣寺。日本で訪れた最初の場所が京都で、滞在先の近くに銀閣寺がありました。

Kavli IPMU で現在行っている研究について教えてください。

私の研究は、どのようにして大質量星が死んでいくのか?を明らかにすることです。この研究の面白いところは、超新星爆発の理解に繋がるだけでなく、星の進化や宇宙の化学組成の知見を得られるところです。特に Kavli IPMU に来てからは、超高輝度超新星に関心を持って研究をしています。超高輝度超新星とは、宇宙で最も明るい天体現象の一つです。それから、極超新星と呼ばれる、より莫大なエネルギーを放つ超新星爆発にも関心があります。私が他に研究しているものとしては、宇宙の初代星です。初代星の爆発についても、宇宙の進化や化学組成を理解する上で重要です。
 

理論家として、私はこの初代星の爆発を調べるためのモデルを作っています。そして、X線、紫外線、可視光、近赤外線の観測とモデルとを比較します。これは、モデル毎のシナリオを理解したり、どのモデルと観測結果が即しているかを調べるためにしていることです。超高輝度超新星の場合には、例えば幾つかのシナリオがありますが、どのモデルが最も即しているのかはまだわかっていません。

Kavli IPMU での研究生活について教えて下さい。

Kavli IPMU で最も好きなところは、本当に国際的な研究環境であるということです。着任前は、超新星のグループが小さいことなど幾つか懸念もありました。でも、実際に来てみると、Kavli IPMU にはビジターとして沢山専門家がやって来ますし、超新星について実りある議論のできる機会が多く設けられていました。

研究活動の背景を教えて下さい。

私はモスクワ物理工科大学 (MITP) で勉強していました。MITP の良いところは、4年生になるまでに半分以上の時間を科学研究に割けることです。私の研究テーマは、天体物理学でした。

そして、PhD を取得するためモスクワの理論実験物理学研究所 (ITEP) に行きました。ITEP は V. Imshennik 博士と D. Nadyozhin 博士に率いられた超新星研究の有力なグループがあり、この二人の先生方は、超新星からの陽子とニュートリノの放出に関する理論モデルを構築したパイオニアです。私はその後、日本に来て、Kavli IPMU 着任前に京都大学と理化学研究所でポスドクとして働いていました。


科学や今の専門分野に関心を持つようになったきっかけを教えて下さい。

私が研究をするようになった経緯は少し複雑です。研究を始める前は、私はモスクワのソフトウェアの会社で何年か働いていました。家庭を持ってから、PhD を取るため勉強することにしたのですが、私には IT の仕事より科学研究に携わることが面白く感じたのです。子供の頃に物理学が好きだったこともあり、科学の道に戻ることに決めました。

これからの研究活動について教えて下さい。

超新星の探査で、最近沢山の興味深い天体が観測されていますし、私は超新星のモデリングの仕事をこれからも続けていくつもりです。そして、より実情に即したシミュレーションを作るため、超新星の光度曲線やスペクトルのモデルの改善を行っていく予定です。観測例が増加するに従い、私も共同研究者と一緒に超新星の異なるモデルを数多く作っています。観測者に対し、より的確に観測をフォローする予測が立てられるようにするためにも、こうしたモデルをカタログ化していくことは必要です。


研究内容はどこで拝見できますか?

Tolstov.netKavli IPMU の研究者紹介ページで、論文へのリンクや研究内容の短い説明を載せています。