3月25日 a workshop -失われた領域を求めて-Art × Science × Philosophy

2017年2月22日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

2017年3月25日、多摩六都科学館において一昨年に開催し、好評を博しました実験的なワークショップ「a workshop -失われた領域を求めて -Art × Science × Philosophy」を今年も開催いたします。

今回は、物理学、数理哲学、脳科学、美学、現代美術の専門家をお招きして、そもそも何を目指してその研究を志したのか、今何をしようとしているのか、そしてその方法と問題点について話題提供をしていただきます。
科学および同じく近代の産物である芸術を題材に、人間の能力としての知性そして感性、それを元に学として構築してきた結果としての現在という観点からゆっくりと考えを巡らすことで、現在捉えられていないものの姿、欠けているものの姿が少しでも見えることを期待しています。
お時間都合のつく皆様、科学と芸術と哲学の重なる部分、そこにも重ならない部分について、ゆっくり一緒に考えてみませんか?

概要

日 時: 2017年3月25日(土)10:00~16:30
会 場:

多摩六都科学館 科学学習室
東京都西東京市芝久保町5-10-64

  • 西武新宿線 花小金井駅から はなバス田無駅行き6分 多摩六都科学館下車
  • JR 吉祥寺駅から 西武バス[吉64]花小金井駅行き30分 科学館南入口下車 徒歩7分 
  • 西武池袋線 東久留米駅西口から 西武バス[武12]武蔵小金井駅行き10分 新青梅街道下車 徒歩10分 ほか
主 催: 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構・多摩六都科学館
対 象: 18歳以上
参加費: 多摩六都科学館 入館料
定 員: 24名

応募多数の場合は抽選となります。

申 込: 応募フォーム(多摩六都科学館; 締切:3/13 たくさんのご応募ありがとうございました!)
問合せ:

04-7136-5981 / Email: koukai-kouza_at_ipmu.jp(Kavli IPMU広報)
*_at_を@に変えてお送りください

Speakers

大泉 匡史 (理化学研究所 脳科学総合研究センター)
小川 希 (Art Center Ongoing)
桑原 俊介 (東京大学 美学芸術学研究室)
丸山 善宏 (京都大学 白眉センター)
山崎 雅人 (Kavli IPMU)

モデレータ:坪井 あや(Kavli IPMU)

プログラム

【10:00-10:10 開催趣旨】坪井あや(Kavli IPMU)

科学セッション

【10:10-10:45 科学の基礎づけ】

「知の生成・進化・融合の論理学:我々は世界をどこまで知り得るのか」丸山 善宏 (京都大学 白眉センター 文学研究科)
日常人々が知識であると思っている何かについて「なぜそれは知識なのですか?」と聞かれて答えられ る人はほとんどいない。科学者でさえその多くはなぜ知識が知識であるのかを知らない。なぜ知識がそ もそも生まれることができるのか(cf.懐疑論)、ちっぽけな意味のない知識が非自明な意味のある知識へ と如何に進化してゆけるのか(cf.自明主義)、世界には何種類の知識が存在するのか(cf.物理帝国主義)、 複数の種類の知識が存在するとすれば多様な知識が如何にして一つになることができるのか(cf.多元主 義)、これら知のメカニズムを巡る原理的問いについて論理学の立場から簡明に答える。

【10:45-11:20 科学の実際:伝統的な科学ー世界の理解】

「理論物理学の現場から」山崎 雅人 (Kavli IPMU)
理論物理学(特に私の専門とする素粒子理論)は宇宙の始まりから終わりに至るまで,自然界の全てを (少なくとも原理的に)支配する基本法則を見つけることを一つの大きな目標としている.そこでは, 普遍性や一般性が一つの指針となる.一方で,研究の日常は常に選択の連続であり,研究者個人の価値 判断が問われる場面も多いし,コミュニティーの中で意見の相違が見られることも少なくない.物理学 者として何を目指し今何をなすべきなのか,現場のダイナミズムと葛藤を個人的独断と偏見に基づいて議論したい.

【11:20-11:55 科学の実際:若い科学ー人間意識の理解】

「意識の統合情報理論 -情報の観点から意識を理解する」大泉 匡史 (ARAYA)
意識とは主観的な体験のことであり、客観的な事実を対象とする自然科学が、対象とするべき問題はな いと見なされてきた。しかしながら、1990 年代ごろから、神経科学者を中心として意識を科学的に研 究する試みが行われ始めた。実験的な事実の集積が進み、様々な知見が得られる中で、理論的な意識の 理解は今一歩進んでいないという状況が続いた。こうした状況の中で、現在、「意識の統合情報理論」 が状況を打破し得る理論として注目を集めている。意識の統合情報理論とは、意識を情報の観点から理 解しようと試みる理論である。デジタルカメラに意識がなくて、我々に意識があるのはなぜか?統合情 報理論によれば、デジタルカメラと我々の脳の本質的な違いは、システムの内部で情報が統合されてい るか否かにあり、これが意識のありなしに関係している。本講演では、統合情報理論の概要を紹介し、 この理論によって意識の科学的な理解がどのように進み得るかを議論したい。

【11:55-12:25 科学セッション小討議:"世界"の理解とは何か】

LUNCH BREAK

芸術セッション

【13:25-14:00 芸術の基礎づけ】

「感性の論理学としての美学:感性に固有の真理、論理学、形而上学の可能性の条件を考える」桑原 俊介 (東京大学 美学芸術学研究室)
18世紀中葉に樹立された美学の学問論的、真理論的、方法論的条件を考える。美学は「感性の論理学」 として構想されたが、知性の論理が感性の論理に適用可能となった条件とは何か。そこには形而上学を 論理学形式で記述するライプニッツの汎論理学主義がある。世界は様相論的・確率論的・量的に記述可 能となった。感性の論理学のトポスもそこにある。その後の美学は心理主義、主観主義、作用美学に変 質したが、現代では再び実在論的・唯物論的・非人間的な美学の形而上学が構想されている。感性に固 有の真理、論理学、形而上学の可能性の条件を考える。

【14:00-14:35 芸術の実際】

「『現代のアート』という病」小川 希 (Art Center Ongoing)
美術館で紹介されるものであれ、マーケットに出回るものであれ、現代アートが扱うテーマは社会的な ものが多数を占めている。作品には社会問題に言及した「コンセプト」という言葉の説明が漏れなくセ ットでついてくるのだ。「現代のアート」なのだから私たちが生きている「この時代」が抱える諸問題 を扱うのはごく当然ともいえる。では、そうした現代を扱う作品の中に、普遍的あるいは根源的な問い を見出すことは可能なのだろうか。社会性や同時代性を超越する「現代のアート」とは?

【14:35-15:05 芸術セッション小討議:芸術の普遍とは何か】

BREAK

全体討議

【15:15-16:30 全体討議:科学に固有の知・芸術に固有の知】