6/21(日), 7/5(日), 7/12(日) サイエンスカフェ宇宙2015

サイエンスカフェとは、科学の専門家と一般の方々が、飲み物を片手に、科学について気軽に語り合えるコミュニケーションの場をつくろうという試みです。

毎年恒例、カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)と多摩六都科学館が主催する、「サイエンスカフェ宇宙」を、今年も6月21日(日)、7月5日(日)、7月12日(日)に開催します。

講義を聴くだけで終わらないのがサイエンスカフェ。宇宙の謎に迫る最先端の研究について、楽しく語り合いましょう。応募多数の場合は中高生を優先させていただきますが広く皆様のご応募をお待ちしております。是非お申込み下さい。

 

 

 

 

 

中高生のための サイエンスカフェ「宇宙」2015


第1回:2015年6月21日(日) 15:00~16:30
会場:多摩六都科学館 イベントホール

「ダークマターの正体を探る」

講 師:鈴木洋一郎 (Kavli IPMU 特任教授)
対 象:中学生以上
定 員:40名(応募多数の場合は中高生を優先のうえ抽選。)
参加費:無料(※別途多摩六都科学館入館料500円が必要。本イベントに参加する中高生は入館料も無料)

参加申込はこちら(多摩六都科学館ホームページ)から。【申込締切:6月8日(月)】受付終了いたしました。

内容:
宇宙は、我々の知っている原子分子よりも遥かに多量の未知の物質「ダークマター」により満たされていることが分かってきました。ダークマターは原子分子のようには光を出さないので、目で見ることはできません。しかし、銀河や銀河団の運動速度の観測結果などから、その存在は確かなものとされています。
ダークマターは宇宙の初期に大量に作られ、現在まで生き延び、その存在が星や銀河が形成されるときの源になったとされています。しかし、その正体は今だに不明です。現在、その正体を解明しようと、地下1000メートルで観測をしている私達のグループを含め、世界中の研究者がしのぎを削っています。
今日は謎のダークマターの正体を、どのようにして明らかにしようとしているのかをお話しします。

講師略歴:
京都大学理学研究科博士課程修了。ブラウン大学アシスタント・プロフェッサー、大阪大学助手、東京大学宇宙線研究所教授、同所長、カブリ数物宇宙研究機構副機構長などを経て現職。1999年朝日賞、2001年仁科記念賞、2010年ブルーノ・ポンテコルボ賞、2013年コッコーニ賞受賞。著書に「暗黒物質とは何か 宇宙創成の謎に挑む」(幻冬舎)。


第2回:2015年7月5日(日) 17:10-18:50
会場:多摩六都科学館プラネタリウム「サイエンスエッグ」

「天の川探索: 現代宇宙論と宇宙考古学の交差点」

講 師:吉田直紀(Kavli IPMU特任教授)
対 象:中学生以上
定 員:40名(応募多数の場合は中高生を優先のうえ抽選。)
参加費:無料(※別途多摩六都科学館入館料500円が必要。本イベントに参加する中高生は入館料も無料)

参加申込はこちら(多摩六都科学館ホームページ)から【申込締切:6月22日(月)】受付終了いたしました。

内容:
夏の夜空にみられる天の川は、全体で1千億個以上もの星や惑星、星雲を含む巨大な天体です。最近になって、謎の物質ダークマターや熱いガスも大量に存在することも明らかになりました。明るさや色もとりどりの星々を詳しく観測すれば、天の川誕生の頃の宇宙についても知ることができます。またその中心には、太陽の数百万倍もの重さの巨大ブラックホールがあると考えられています。
講演では、宇宙の歴史と天の川銀河の誕生やその進化について、最新の観測やコンピューターシミュレーションの結果を交えてお話します。

講師略歴:
1996年東京大学工学部卒業。ミュンヘン大学大学院修了(DN)。ハーバード大学、名古屋大学などを経て、現職。2008年国際純粋応用物理連合若手科学者賞受賞。著書に「宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか」(宝島社)、「ムラムラする宇宙」(学研教育出版)など。


第3回:2015年7月12日(日)14:30-16:30
会場:多摩六都科学館 イベントホール

「微分から見た幾何学 ~やわらかい図形・かたい図形」

講 師:阿部知行(Kavli IPMU特任助教)
対 象:中学生以上
定 員:40名(応募多数の場合は中高生を優先のうえ抽選。)
参加費:無料(※別途多摩六都科学館入館料500円が必要。本イベントに参加する中高生は入館料も無料)

参加申込はこちら(多摩六都科学館ホームページ)から【申込締切:6月29日(月)】受付終了いたしました。

内容:
物体の運動と力の関係を定式化する過程でニュートンは微小変化を数学的に表現する方法、微分法を生み出しました。これにより、幾何学(図形を扱う学問)と代数学(数や方程式を扱う学問)という数学の二大分野に、微小変化を扱う解析学が加わることになります。解析という視点は幾何学に特に大きな影響を与え、ガウスやリーマンを経て、曲がった空間を扱う微分幾何が誕生します。やがて20世紀に入ると、アインシュタインの一般相対性理論を始め物理学との結びつきはさらに強まり、数学的にも興味深い多くの“微分方程式”が生み出されています。
本講演では前半に微分法に関してそのシンプルにして深遠なアイディアを解説し、後半では解析学と幾何学の交わりがどう数学に影響を与えてきたかお話ししたいと思います。微分法に関しては高校で学習しますが、基礎知識は必要ありません。

講師略歴:
2010年東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了後、日本学術振興会特別研究員を経て、2011年より現職。2011年度日本数学会賞建部賢弘特別賞、2013年文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞。