2023年10月10日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)
2023年11月5日(日)、第9回目となる東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)と東京工業大学地球生命研究所(ELSI)との合同一般講演会「起源への問い」を開催いたします。昨年に引き続きまして、同じく東京大学のニューロインテリジェンス国際研究機構(IRCN)とも共催です。
宇宙・地球・知性..その起こりはどのようなものだったのでしょう。私たちは歴史のなかで、たえずこの問いに向き合ってきました。
本講演会では宇宙・地球・生命の起源について、今どこまで解き明かされているかその最先端のサイエンスをわかりやすくお話しするとともに、起源を問うとはどういうことなのかという根源的な話題について、3名のサイエンティストの対話を文筆家がモデレートします。
プログラム
13:45-14:15
講演1:
人類は生命を部品から作れるのか?
講師:松浦 友亮 (ELSI 教授)
地球上には多様な環境が存在していますが、生命が居ない場所を見つけるのが難しいほど、生命はどこにでも居ます。暑い、寒い、暗いなど驚くほど過酷な環境でも生きています。更に驚くほど多様な形態や生態を持っています。しかし、地球生命の基本単位は全て細胞です。細胞ができることが生命誕生の最初のステップであったと予想されます。では、細胞はどのように産まれたのでしょうか?世界中の研究者がこれを明らかにすべく、実験室で細胞を部品から人工的に作ることを目指して研究を行っています。本講演では、細胞をその構成要素から創る研究の最前線を紹介します。
14:15-14:45
講演2:
脳を創る幹細胞の運命制御
講師:後藤由季子(IRCN 教授)
私達の脳は、非常に多様な種類のニューロンやグリア細胞から構成されています。これらの細胞は共通の前駆細胞「神経幹細胞」から作り出されますが、決してランダムに作られる訳ではありません。必要な細胞の種類が必要な数生み出され、それらが正しい場所に配置されることが、脳の正常な機能において必須となります。それでは、神経幹細胞はどのように生み出す細胞の種類を決めているのでしょうか。そして脳の発生・発達がストレスなどで影響をうけたとき、脳はどのような変化を示すのでしょうか。本講演では進行中のプロジェクトを含めこれらについてお話しさせていただきます。
14:45-15:15
講演3:
「圏」を通じて対称性の起源を求める
講師:戸田幸伸 (Kavli IPMU 教授)
我々の住む宇宙には、カラビ・ヤウ多様体と呼ばれる目に見えない6次元空間が潜む(かもしれない)と考えられています。この6次元空間内の、形と大きさを指定した曲面の数を数えるという問題は数学・物理双方にとって重要で興味深い問題です。一方、「圏」とは数学的対象物のコミュニティを表現する抽象的な概念で、数学における様々な対称性が圏を用いて実現されることが知られています。この講演では、曲面の数え上げの不思議な規則性や対称性、更により深い構造について「数」の概念を飛び出して「圏」の概念を用いることでそれらの起源を求めるというお話をします。
15:25-16:05
座談会:
起源を問うとはどういうことか
モデレーター:山本貴光(東京工業大学 科学技術創成研究院・リベラルアーツ研究教育院 教授)
起源を問うとはどういうことなのか。異なる領域で起源に迫る3名のサイエンティストの対話をモデレートします。
概要
日 時: |
2023年11月5日(日) 13:30-16:05 (13:00開場) |
会 場: | ハイブリッド開催 オンサイト会場:東京工業大学 70周年記念講堂( 東急大井町線・目黒線 大岡山駅から徒歩3分) |
主 催: | 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)・東京工業大学地球生命研究所(ELSI) ・東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構(IRCN) |
対 象: | 高校生以上 |
参加費: | 無料 |
定 員: |
会場参加は600名(登録先着順)、オンライン参加は原則定員なし |
申 込: |
ELSIによる講演会ホームページ |
申込締切: | 会場参加は2023年11月2日(木) 正午 オンライン参加は配信終了時間まで申込可能 |
申し込みについての問合せ: |
pr@elsi.jp |
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基礎科学/純粋科学に分類されるKavli IPMUの研究者と他分野の専門家との交流を試みるシリーズです。これまでのイベントはこちら。