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2016年3月27日、東京大学 安田講堂において梶田教授ノーベル賞受賞記念 連続講演会「私たちはどこから来たのか?ーニュートリノのノーベル賞の先」を開催いたします。
昨年、Kavli IPMUの主任研究員でもある梶田隆章教授が"大気ニュートリノ振動"の発見によりノーベル物理学賞を受賞しました。世紀の大発見だった"ニュートリノ振動"。では、その後ニュートリノ物理学はどのように発展を遂げたのでしょうか?本講演会では、ニュートリノ物理学の現在について、専門の研究者がわかりやすく解説します。
概要
日 時: | 2016年3月27日 13:00-15:30(開場12:30) |
会 場: | 東京大学 安田講堂(東京都文京区本郷7−3−1)
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主 催: | 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 |
対 象: | 中学生以上 |
参加費: | 無料 |
定 員: | 700名
応募多数の場合は抽選となります。
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申 込: | ※たくさんのご応募ありがとうございました! |
通 知: |
決定の通知は3月11日頃にご連絡いたします。 |
問合せ: |
04-7136-5981 / Email: koukai-kouza_at_ipmu.jp(Kavli IPMU広報) |
プログラム
13:00-14:05
講演1:
母なる超新星は私たちの素になる元素を産んでくれた?
講師:マーク・ベイギンズ (Kavli IPMU 教授)
「超新星爆発」はすごくドラマチックでエキサイティングな現象です。爆発した星は、生命に絶対必要な、ヘリウムよりも重いすべての元素を生み出し、さらにそれを宇宙の中にまき散らして私たちの住むこの地球を形成します。「ニュートリノ」と呼ばれる幽霊のような素粒子は、この超新星爆発についての鍵です。星が死滅するときに、莫大な量のニュートリノが作られますが、ニュートリノはほとんど何とも反応しませんから、爆発の火の玉からも逃れて情報を運び出すことができるのです。この講演ではニュートリノと超新星研究のこれまでを振り返ってから、これからどうやって研究していくのか、新しい爆発と発見についてお話しします。
14:25~15:30
講演2:
父なるニュートリノは私たちを完全消滅から救ってくれた?
講師:村山 斉 (Kavli IPMU 機構長)
ニュートリノはほとんど反応しない「シャイ」な粒子なので、その性質を調べるのは大変でした。そのため発見後三十年以上も、質量があるのかどうかすらはっきりしていませんでした。特に素粒子物理学の基礎理論「標準模型」は、ニュートリノには質量がないことを前提に組み立てられていました。ところが、1998年にニュートリノに質量があることが実験ではっきりし、世界を驚かせました。これが去年梶田さんに授与されたノーベル賞に輝く業績です。標準模型では宇宙を全て説明できないことがわかったのです。しかもニュートリノに質量があると、粒子と反粒子が入れ替わる可能性があります。実はそもそもビッグバンで始まった宇宙では、粒子と反粒子が同じ数あったはずですが、そのうち約10億分の2個が入れ替わり、バランスが崩れたため、我々物質が生き残ったのです。もしかすると、ニュートリノが物質と反物質を入れ替え、私たちを完全消滅から救ってくれたのではないか。この可能性が俄然注目されるようになりました。