柏キャンパスに宇宙・素粒子分野の国際研究拠点を設立 Kavli IPMU を含む東京大学4部局とフランス国立科学研究センター(CNRS)

2021年4月13日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)

 

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU) を含む東京大学4部局とフランス国立科学研究センター(CNRS)は、新たな国際交流協定に基づき、宇宙・素粒子物理学及び天文学の分野で交流するための国際研究拠点「ILANCEラボラトリー」を東京大学柏キャンパスに2021年4月1日付で設置しました。

参加するのは、Kavli IPMU のほか、東京大学宇宙線研究所、素粒子物理国際研究センター (ICEPP)、理学系研究科の4部局です。共同研究の対象には、ニュートリノ物理、原始宇宙、暗黒宇宙、重力波、素粒子物理などの分野にあたる、ハイパーカミオカンデ、スーパーカミオカンデ、T2K、KAGRA、CTA、LiteBIRD、PFS、ATLAS、ILC などのプロジェクト名が挙げられています。

国際研究拠点は、宇宙線研究所に隣接する柏キャンパスの総合研究棟内に設置され、フランスからの研究者および学生が中・長期で滞在するための拠点となり、共同研究や学生・研究者の交流を活発化させることが期待されています。

Kavli IPMU の幹事教員は、次世代宇宙マイクロ波背景放射(CMB)偏波観測衛星 LiteBIRD(ライトバード)計画に携わる松村知岳 (まつむら ともたけ) 准教授が務める予定です。ILANCE ラボラトリー設置に際して、松村准教授は「この新しい枠組みにて、より各プロジェクト内、そしてプロジェクトを超えた密な国際的共同研究の機会が学生・研究員も含め生まれることを期待しています。また個人的にはフランスは欧州宇宙機関プランク衛星の高周波観測装置を率いた国であり、より活発な共同研究ができることを楽しみにしています」と述べています。

4月7日には国際研究拠点の設立を記念した初めてのワークショップがオンライン上で開催されました。本研究拠点の日本側代表で Kavli IPMU 主任研究者も兼ねる宇宙線研究所の梶田隆章所長が「この国際研究拠点の活動には日本とフランスから50人を超える研究者が参加する予定ですが、第一線の研究分野で東京大学と CRNS/IN2P3 が協働することは大変重要なことで、COVID-19 の状況が早く改善され、研究拠点の設立が良い機会となってくれることを期待しています」とあいさつ。フランス側代表の Michel Goninエコールポリテクニック大学教授も、拠点を設立した目的について、「CNRS が東京大学と国際協力していくための新しい仕組みの構築であり、日仏からの研究者が結集する組織を柏キャンパスに作り、既存のブロジェクトを強化するだけでなく、日仏政府・ERC への研究提案、異なる分野の研究者が交流することによるシナジー効果も期待しています」とコメントしました。
 

本件に関しては東京大学本部の記事も併せてご覧下さい。
 


 

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