土屋昭博

Akihiro TsuchiyaAkihiro Tsuchiya

1960年代後半に位相幾何学の研究から数学の研究を始めました。そのころ、微分位相幾何学の発展の最終局面に遭遇したこともあり、球面のホモトピー同値全体の作る群を構造群とする球面束の特性類を完全に決定することに成功しました。

1980年代後半に共形場理論の数学的基礎付けの研究を始めて、現在に至っています。共形場理論は、 1980年代初めにロシアの3人の物理学者によって、2 次元統計物理学における臨界現象を記述する理論として展開されました。その後、素粒子論における超弦理論との関係も明らかにされ、多くの数学者や物理学者により現在まで研究が続けられています。

私が展開した共形場理論では、2次元場の量子論が無限次元代数の表現論、D−加群、Moduli空間の理論など、現代数学の考え方や方法と密接に関連し合って展開され、その結果、現代数学に新しい観点と方向を与えることになりました。

現在も共形場理論の基礎づくりの研究を行っており、超弦理論の数学的展開への応用をめざして研究を続けています。