2025年12月26日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構（Kavli IPMU, WPI）
インド天文学天体物理学大学連携センター（IUCAA）教授で東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 （Kavli IPMU, WPI）客員上級科学研究員の Surhud More (スルド モレ) 氏が、インド政府の科学賞である2025年 Rashtriya Vigyan Puraskar 賞のうち、若手研究者に与えられる Vigyan Yuva-Shanti Swarup Bhatnagar 賞の受賞者の一人に選ばれました。
Rashtriya Vigyan Puraskar 賞は、科学・技術・技術主導型イノベーションといった多様な分野における画期的な研究を称え推進し、実践者の業績を激励することを目的に2024年に創設されました。対象となる分野は、物理学、化学、生物科学、数学・コンピューター科学、地球科学、医学、工学、農業科学、環境科学、技術・イノベーション、原子力、宇宙科学・技術、その他関連分野の13分野にわたります。また、賞の枠組みは、4部門あります。今回、More 氏は物理学への貢献が認められ、45歳未満で顕著な功績をあげた若手研究者に与えられる Vigyan Yuva-Shanti Swarup Bhatnagar 賞の受賞者となりました。
More 氏は、2012年から2014年まで特任研究員、2014年から2018年まで特任助教、2018年に准教授に就任し、6年近くKavli IPMU に在籍してきました。2018年の途中で IUCAA へ移った後も、Kavli IPMU には客員科学研究員 (IUCAA 教授への昇進に伴い、2023年8月から客員上級科学研究員) として所属してきました。現在も観測と理論の両面から宇宙論や銀河の形成や進化に関する研究を継続しており、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ HSC を用いたサーベイ研究のメンバーとなっています。また、宇宙におけるダークマター分布図の作成によりダークエネルギーの理解を目的としたベラ・C・ルービン天文台による大規模撮像探査プロジェクト「LSST（Legacy Survey of Space and Time）」にも Kavli IPMU の研究者と共に参加しています。
Vigyan Yuva-Shanti Swarup Bhatnagar 賞に選出されたことについて More 氏は次のように述べています。
「今回の栄誉は、長年にわたり共に研究を行なってきた学生、ポスドク、同僚 (その多くが Kavli IPMU の所属です) との共同作業の賜物です。すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ HSC によるサーベイ研究は、私にとって現在も続く素晴らしい経験です。日本滞在中および客員上級科学研究員としての期間を通じて、Kavli IPMU から受けた多大な支援に心から感謝するとともに、Kavli IPMU との繋がりをとても大切に思っています。」
授賞式は2025年12月23日、インドの Droupadi Murmu 大統領の主催で行われました。
関連リンク
Government of India Announces Rashtriya Vigyan Puraskar 2025 to Honour Excellence in Science, Technology, and Innovation (インド科学技術省の記事)
