LiteBIRD、ミッション定義審査(その2)を通過 — プロジェクト準備段階へ

2026年8月7日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU, WPI)
 

JAXA が主導する国際宇宙ミッション LiteBIRD は、このたびミッション定義審査(その2)を無事に通過しました。LiteBIRD は、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の全天偏光観測を通じて、宇宙誕生直後に起きたと考えられるインフレーションの検証を主要な目標とする国際共同ミッションです。世界最高水準の偏光観測精度により、原始重力波の痕跡であるBモード偏光の探索を目指すとともに、宇宙論、素粒子物理学、天体物理学など幅広い科学成果の創出が期待されています。

LiteBIRD 衛星の概念図 (Credit: JAXA)

ミッション定義審査(その2)では、ミッションの科学目標、システム構成、開発計画、国際協力体制などについて総合的な審査が行われました。今回の通過は、LiteBIRD のミッション構想と開発計画をさらに具体化していく上で重要な節目となります。今後は、プロジェクト準備段階(フェーズ A)への移行に向けた所定の手続きを進めながら、宇宙機システム、観測装置、科学データ解析基盤および国際共同開発体制の検討を継続します。

LiteBIRD は、日本を中心に欧州、北米を含む多くの研究機関が参加する国際共同プロジェクトです。今回のミッション定義審査(その2)通過は、これまでミッションを支えてきた国内外の研究者・技術者・関係機関による長年の努力の成果であり、今後も世界中のパートナーと協力しながら、宇宙の起源に迫る挑戦を進めていきます。

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU, WPI)は、LiteBIRD のプロジェクト準備段階(フェーズA)において、科学成果創出を担う中核拠点としてプロジェクトに貢献し国際共同研究を推進します。特に、衛星から得られる観測データを科学成果へと結び付ける Science Ground Segment(SGS)では、国内および世界各国の研究機関と連携しながら、データ解析基盤や解析パイプラインの構築、科学解析体制の整備をリードしていきます。

LiteBIRD プロジェクトのロゴマーク (Credit:LiteBIRD project)

また、観測装置開発においても、イタリア宇宙機関(ASI)の支援のもとローマ・ラ・サピエンツァ大学を中心に進められる偏光変調器の開発に JAXA と共に協力し、これまで培ってきた技術的知見を活かした共同研究を推進します。これらの中核的な役割を軸として、装置開発、科学データ解析、シミュレーション、宇宙論解析など幅広い分野で LiteBIRD への貢献をさらに発展させ、世界最高水準の科学成果の創出に取り組んでいきます。


LiteBIRD のプロジェクトの責任研究者(Principal Investigator, PI)である Kavli IPMU の松村知岳准教授は以下のように述べています。

「LiteBIRDチームが一丸となって、この重要なマイルストーンを達成できたことを大変嬉しく感じています。プロジェクトにはまだ多くの挑戦が待っていますが、同時に新たな科学への可能性も広がっています。Kavli IPMUの国際的な研究環境を活かし、国内外のパートナーとともに、LiteBIRDが優れた科学成果を生み出せるよう引き続き貢献していきます。」

 

2026年1月に Kavli IPMU で開催された LiteBIRD プロジェクトのコラボレーションミーティングでの集合写真。世界各地から約100名の研究者が参加した。(Credit:Kavli IPMU/LiteBIRD project)


関連リンク
LiteBIRD、ミッション定義審査(その2)を通過 — プロジェクト準備段階へ (JAXA 宇宙科学研究所 LiteBIRD ホームページ)

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