高エネルギー天体物理

高エネルギー天体におけるX線やガンマ線の放射機構,あるいは粒子の加速機構を明らかにするための観測的,理論的研究を進めている。降着円盤から吹き出す円盤風や超新星残骸,あるいはパルサー雲からのX線やガンマ線の放射を,流体計算,天体のジオメトリや基礎過程をとりこんだシミュレーションなどを用いて計算し,観測結果と比較することで,高エネルギー天体そのものを探ろうとしている。

ニュートリノや重力波による宇宙観測も可能となり、現代天文学は多波長・マルチメッセンジャー天文学の時代を迎えている。しかし、唯一、宇宙を観測する窓が開いていないエネルギー帯域が存在する。MeV ガンマ線である。MeV ガンマ線帯域は熱的宇宙と非熱的宇宙をつなぐエネルギー帯域であり、宇宙の諸現象を理解する上でもっとも根本的なエネルギー帯域の一つである。MeV ガンマ線観測の不足により、多くの天体現象の物理を解明できないままでいる。我々は、ガンマ線イメージングの技術を用いて、MeVガンマ線望遠鏡の高感度化の研究を進めている。さらに、将来のMeVガンマ線天文学を切り拓くために、様々な具体的なサイエンスケース(太陽・超新星爆発・中性子星合体・活動銀河核・暗黒物質など)の検討も行っている。

(Last update: 2018/06/06)

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