IPMU大栗博司主任研究員フンボルト賞受賞 / 吉田直紀・小松英一郎氏もIUPAP若手賞受賞

2008年5月20日
数物連携宇宙研究機構(Institute for the Physics and Mathematics of the Universe : 略称 IPMU)

IPMU主任研究員でカリフォルニア工科大学の大栗博司教授が、場の量子論と超弦理論の数理的手法の開発の業績により2009年フンボルト賞受賞者に選ばれました。

本賞は、「ドイツのノーベル財団」とも称されるアレキサンダー・フォン・フンボルト財団が、自然科学から人文科学、芸術に至る幅広い研究分野のそれぞれにおいて、基本的な発見もしくは新しい理論によって後世に残る重要な業績を挙げ、今後も学問の最先端で活躍すると期待される国際的に著名な研究者に対して授与しています。同財団の最も栄誉ある賞であり、フンボルト賞受賞者の40名がノーベル賞を受賞しています。ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊氏も同賞受賞者です。 授賞式は2009年3月に開催されるフンボルト賞受賞者によるシンポジウムの席上で行われ、ドイツ大統領官邸であるベルリンのベルビュー宮殿で大統領主催のレセプションが開かれる予定です。また、副賞として6万ユーロ(日本円で約1千万円)が授与される。大栗教授はこの賞金をドイツのマックスプランク重力物理学研究所との共同研究経費に充て、量子力学と重力理論の統合にむけた研究の推進を図る予定です。

また、今年9月に名古屋大学から着任予定の吉田直紀特任准教授が、宇宙の構造形成、特に大規模数値計算を用いた理論的研究による功績で、IUPAP Young Scientist Prize in Computational Physicsを受賞します。2008年8月、ブラジルで行われるIUPAP CCP会議で授賞式が行われます。

IPMU客員科学研究員でテキサス大学の小松英一郎准教授も宇宙背景輻射についての研究で同Young Scientist Prize in Astrophysicsを2008年12月にカナダで行われるSymposium on Relativistic Astrophysicsで受賞します。国際純粋・応用物理連合(IUPAP)は1922年に創設された科学者による組織で、国際的な物理学の研究や教育の支援を行っています。Young Scientist Prize は博士号取得後8年以内の若手研究者に授与されます。

IPMUの研究者にはここのところ受賞のニュースが続いています。大栗教授は1月にはアメリカ数学会から初回のアイゼンバッド賞を受賞、数物連携の象徴的な出来事となりました。高田昌広特任准教授も3月に日本天文学会研究奨励賞を受賞しています。

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