2009年度仁科記念賞受賞 --大栗博司主任研究員--

2009年11月9日
数物連携宇宙研究機構(Institute for the Physics and Mathematics of the Universe : 略称 IPMU)

仁科記念財団は、IPMUの大栗博司主任研究員に2009年度仁科記念賞を授賞することを、11月9日に発表しました。

仁科記念賞は我が国で最も歴史と権威のある物理学賞で、ノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈、小柴昌俊、小林誠、益川敏英の4博士もこの賞を受賞しています。

超弦理論はアインシュタインの一般相対論と量子力学を統合する究極の統一理論の有力候補と考えられています。大栗主任研究員は超弦理論を簡単化したトポロジカルな弦理論の基礎を築き上げ、これを応用してそれまで困難であった超弦理論の量子効果の計算を可能にしました。また、トポロジカルな弦理論を使ってブラックホールの量子状態の理解を深めました。仁科記念財団は、「この結果は超弦理論が実際、加速器の実験結果を予言する理論であるか確認するのに非常に重要」であり、「物理学者の夢を実現する第一歩となった」と賞賛しています。

授賞式は12月4日に予定されています。

授賞対象:「トポロジカルな弦理論の研究」

  • 参考URL

仁科記念財団

  • 参考文献

物理科学月刊誌「パリティ」 2009年6月号「量子ブラックホールと創発する時空間」