LiteBIRD計画が日本学術会議マスタープラン「重点大型研究計画」のひとつに選ばれる

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)村山斉機構長を計画責任者とした『LiteBIRD - 熱いビッグバン以前の宇宙を探索する宇宙マイクロ波背景放射偏光観測衛星』計画が、日本学術会議が策定した『第22期学術の大型研究計画に関するマスタープラン』(3月12日公表)の「重点大型研究計画」27件のひとつに選ばれました。

LiteBIRD計画は、「宇宙はどのように始まったのか?」という人類共通の謎の解明に挑みます。熱いビッグバン以前の宇宙を記述する現在最も有力な仮説である「インフレーション宇宙仮説」を検証するため、衛星を用いて宇宙背景放射の偏光の観測から宇宙のインフレーションの証拠である「原始重力波」の痕跡の検出を目指します。2020年代初頭に衛星を打ち上げ、約2年間の観測を行う計画です。Kavli IPMUは、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立天文台などの共同研究機関と協力しながら計画の実現を目指します。

学術の大型研究計画に関するマスタープランは、日本学術会議が科学者コミュニティの代表として策定し、学術全般を展望・体系化しつつ、各学術分野が必要とする大型研究計画を網羅するとともに、我が国の大型計画のあり方について、一定の指針を与える事を目的としています。

今回のマスタープランでは同時に「学術大型研究計画」が207件採択され、Kavli IPMUと東京大学宇宙線研究所が中心となって提案した『暗黒物質の直接探索(XMASS)』計画がそのひとつに選ばれました。また、重点大型研究計画に選ばれた『大型先端検出器による核子崩壊・ニュートリノ振動実験』(ハイパーカミオカンデ)、学術大型研究計画に選ばれた『極低放射能環境でのニュートリノ研究』においても、Kavli IPMUは研究実施機関のひとつとして参加しています。

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