立川裕二准教授がヘルマン・ワイル賞を受賞

立川裕二准教授立川裕二准教授

東京大学理学部物理学科准教授で東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構科学研究員の立川 裕二(たちかわ ゆうじ)氏が2014年のヘルマン・ワイル賞(Hermann Weyl Prize)を受賞しました。

ヘルマン・ワイル賞は、対称性を使った物理学において、独創的で重要な仕事をした若い科学者に光をあてるべく、2000年に創設されました。35歳以下または、博士号取得後5年以内の研究者が対象となります。過去の受賞者にはエドワード・フレンケル カリフォルニア大学バークレー校教授らがおり、立川氏は日本人としては初の受賞者となります。

今回の受賞は、超対称な場の量子理論の分野に傑出した貢献をしたことによるものです。Alday-Gaiotto-Tachikawa予想により、数学および量子物理学に目覚ましい進歩をもらたしたことが評価されました。立川氏は受賞に際し「今後も Weyl の名前を汚さぬよう精進したいと思います。」と述べています。

また、Kavli IPMUの村山斉機構長は「立川さんはKavli IPMU期待の星です。彼は物理の世界への深い洞察と最先端の数学への洗練された知識を用いて、たくさんの宇宙の謎を明らかにしました。評価されたAlday-Gaiotto-Tachikawa予想に加え、アインシュタインの相対性理論と量子物理学を統合した"場の量子理論"の領域において、既に数々の発見をものにしています。この賞は、一見有用性がわかりにくい基礎科学が、真に人類を前進させるものであることを示す、ひとつの証といえるでしょう。」と述べています。
 

立川 裕二 准教授略歴

2006年9月 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了
2006年10月 The Institute for Advanced Study(IAS)にて博士研究員
2010年11月 東京大学数物連携宇宙研究機構特任助教
2012年4月〜現在 東京大学理学部物理学科准教授、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構科学研究員

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