野村泰紀主任研究者が米国物理学会 (APS) フェローに選出

2017年12月18日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)
 

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) 主任研究者を兼ね、カリフォルニア大学バークレー校教授でバークレー理論物理学センター長を務める野村泰紀 (のむらやすのり) 氏が素粒子・場の理論部門での米国物理学会 (APS) フェローに選ばれました。
 

APS フェローは、約5万人を擁する米国物理学会の会員のうち物理学への優れた学術的貢献を果たしたとされる研究者に与えられる栄誉で、素粒子・場の理論部門には1979年ノーベル物理学賞受賞者の Steven Weinberg (スティーブン・ワインバーグ) 氏、2004年ノーベル物理学賞受賞者の David Gross (デイビッド・グロス) 氏、日本人では2002年ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊 (こしばまさとし) 東京大学特別栄誉教授が選ばれるなどしています。
 

今回の野村氏の APS フェロー選出理由は “For pioneering contributions to a variety of areas of particle theory, including gauge unification in extra dimensions, electroweak symmetry breaking, supersymmetric models, dark matter, the multiverse, foundations of quantum mechanics, and black holes.” とされ、余剰次元でのゲージ統一理論、電弱対称性の破れ、超対称性理論、ダークマター、マルチバース、量子力学及びブラックホールの基礎など、素粒子理論分野への多岐にわたるこれまでの貢献が評価されました。
 

選出について野村氏は「伝統あるアメリカ物理学会のフェローに選出していただき、光栄に思います。理論物理学は今、異なる道筋を通って発展してきた様々な分野が密接に関係して進む、非常に面白い時期にあります。これまで一緒に研究してきた仲間に感謝するとともに、これからもより一層研究に励んでいきたいと思います」と述べています。
 


野村泰紀氏 略歴

2000年:東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程後期修了
2000年:カリフォルニア大学バークレー校ミラー研究員
2002年:フェルミ国立加速器研究所研究員(Associate Scientist)
2003年:カリフォルニア大学バークレー校助教授
2007年:カリフォルニア大学バークレー校准教授
2008年-:ローレンス・バークレー国立研究所上席研究員を併任
2012年-:カリフォルニア大学バークレー校教授
2017年-:東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究者を併任
(2015-2017年 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任教授等を併任)

関連リンク
2017年APSフェローのリスト (米国物理学会ウェブページ)

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