4/24(日), 「世界トップレベル研究拠点プログラム  WPI Kavli IPMUの15年の成果と展望」開催

2022年3月4日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

2022年4月24日(日)にKavli IPMUは「世界トップレベル研究拠点プログラムWPI Kavli IPMUの15年の成果と展望ー数学者・物理学者・天文学者・探究の旅路」を開催、4つの講演と5つのビデオメッセージでKavli IPMUのサイエンスの過去・現在・未来を概観します。視聴には事前申込が必要で、4月22日締切です。多くの皆様のお申し込みをお待ちしております。

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プログラム

開会挨拶

13:30-13:45

  • 藤井 輝夫 (東京大学総長)
  • 池田 貴城 (文部科学省 研究振興局長)
  • 宇川 彰 (日本学術振興会 世界トップレベル拠点形成推進センター センター長)

総合講演

13:45-14:30

大栗 博司 Kavli IPMU 機構長

ビデオメッセージ

14:30-14:40

  • Cynthia M. Friend(カブリ財団 会長) *

  • 村山 斉(Kavli IPMU 初代機構長)

講演1

14:40-16:10

すばるで探るダーク宇宙

高田 昌広 Kavli IPMU 教授

Kavli IPMU 発足以来、宇宙のダーク成分である、ダークマター、ダークエネルギーの正体の解明を目指した国際共同研究プロジェクトをハワイ島にある口径8.2mのすばる望遠鏡を用いて進めてきました。この15年で飛躍的に進展し、日本発の観測的宇宙論(広大な宇宙そのものを研究対象とする研究分野)が実現しました。アインシュタインが予言した重力レンズの手法を用いることにより、光では直接見えないダークマターの分布を調べることができます。宇宙のダークマターの地図、ダークマターの有力候補の原始ブラックホールの探索など、Kavli IPMU の発展とともに様々な成果が得られてきました。今回は、この15年のあいだの Kavli IPMU からの研究成果を紹介したいと思います。

たかだ・まさひろ ● 2001年東北大学大学院理学研究科博士課程修了。博士 (理学)。そのあと、学術振興会特別研究員、米国ペンシルバニア大学の博士研究員を経て、2004年に東北大学大学院理学研究科助教に着任。IPMU 発足直後の2008年3月から特任准教授として IPMU に参加し、2012年に特任教授、2013年に教授、2017年からは主任研究者も務める。専門は、宇宙論の理論的、観測的研究。すばる国際プロジェクトのサイエンスを牽引している。

講演2

特異点に秘められた謎

伊藤 由佳理 Kavli IPMU 教授

特異点というのは、尖っていたり、曲がったりしているような周りとは様子が異なる点です。折り紙をしたときにできる角も特異点です。物理学者は特異点と聞くと、ビッグバンやブラックホールをイメージするようです。また工学や医学にも特異点は現れます。数学でも特異点は一般には扱いにくい特殊な点です。しかし一方で特異点の構造を調べたり、その特異点を解消する方法を考えたりする研究もあります。本講演では、特異点の周りの様子の観察や特異点解消によって、特異点の中にある美しい数学的な情報を得ることができるという事例をご紹介します。さらに物理学との関連についても少し触れるつもりです。

いとう・ゆかり ● 東京大学大学院数理科学研究科にて博士 (数理科学) を取得後、東京都立大学理学部助手、 名古屋大学大学院多元数理科学研究科准教授を経て、2017年より東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構教授。専門は数学 (代数幾何学)。日本学術会議会員。著書に『美しい数学入門』 (岩波新書)『研究するって面白い!』(岩波ジュニ ア新書)など。

講演3

もう待たない!超新星ニュートリノ

Mark Vagins Kavli IPMU 教授*

超新星ニュートリノの検出については、観測できるのを待つことが最も困難なことです。最後に観測された、そして今のところ唯一の超新星ニュートリノは、35年前のSN1987Aの爆発によるもので、それ以来ずっと、私たちはニュートリノを観測したいと思ってきました。今回、Kavli IPMUの画期的な技術革新により、あのスーパーカミオカンデ検出器が、既知の宇宙に散在する遠くの古い超新星爆発からのニュートリノを、継続的に記録することができるようになります。私たちはもう超新星爆発を待つ必要がなくなるのです!

マーク・ヴェイギンズ ● 米国出身。カリフォルニア工科大学とイェール大学で物理学の教育を受けた後、1994年に当時建設中だったスーパーカミオカンデプロジェクトに参加。ニュートリノと素粒子検出器技術の専門家であり、2007年のIPMU設立後、初の外国人教授として採用された。

ビデオメッセージ

16:10-16:20

  • Robert Quimby (マウント・ラグナ天文台 所長)*

  • Susanne Reffert (ベルン大学 理論物理学研究所 教授)*

  • Christian Schnell (ストーニーブルック校 数学科 教授 )*

閉会挨拶

16:20-16:25

相原 博昭(東京大学 理事・副学長)

*英語のプログラムには同時通訳がつきます


概要

日 時: 2022 年 4 月 24 日 (日) 13:30-16:30
会 場: 東京大学安田講堂から無観客ライブ配信
対 象: 中学生以上
参加費: 無料
主 催: 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)
申込み: こちらのフォームよりお申し込みください(4月22日締め切り)
問い合わせ:04-7136-5981 / Email: koukai-kouza_at_ipmu.jp(Kavli IPMU広報)
*_at_を@に変更してください