山﨑雅人教授が日本学術振興会賞を受賞

2022年12月19日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構の山﨑雅人(やまざき まさひと)教授が日本学術振興会より、第19回(令和4年度)日本学術振興会賞を受賞しました。

日本学術振興会賞は、平成16年度に創設され、人文学、社会科学及び自然科学にわたる全分野を対象とし、創造性に富み優れた研究業績をあげた若手研究者に与えられる栄誉です。

山﨑雅人氏の今回の受賞対象となった研究は、
「超対称箙ゲージ理論及び 4 次元チャーン・サイモンズ理論を用いた可積分模型の研究」(Study of Integrable Models Using Supersymmetric Quiver Gauge Theories and the 4-dimensional Chern-Simons Theory) 
です。可積分系は数学や物理学の分野で古くから研究されていますが、可積分性の基礎方程式で あるヤン・バクスター方程式に場の理論の物理的議論による解釈を与えることは未解決の問題でした。 山﨑雅人氏は、量子場の理論である超対称箙ゲージ理論及び 4 次元チャーン・サイモンズ理論を用いてこの問題を解決し、可積分性の存在理由を場の理論における双対性及び位相不変性から説明しました。まずヤン・バクスター方程式が箙ゲージ理論に内包される双対性から得られることを示しました。Costello 氏と Witten 氏との共同研究では、摂動展開を持つ可積分理論の一般的な枠組みを構築しました。さらに、既知の可積分模型を再解釈するだけでなく、多くの新しいクラスの可積分模型を生み出しました。 山﨑氏の研究は数学や物理学における可積分系の研究に新たなアプローチを提供するものであり、今後も当該分野を国際的にリードすることが期待されます。 

山﨑雅人 氏 略歴
2006年 東京大学理学部卒業 
2008年 東京大学大学院理学系研究科修士課程修了 
2010年 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了 
2010年 博士(理学)の学位取得(東京大学) 
2010年 日本学術振興会特別研究員-PD 
2010年 プリンストン大学博士研究員
2013年 プリンストン高等研究所博士研究員
2014年 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構特任助教 
2018年 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構准教授 
2022年 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構教授(現在に至る)


関連リンク
日本学術振興会
山崎雅人氏 ウェブページ

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