Elisa Ferreira 特任助教が2026年米沢富美子記念賞の受賞者に選出

2026年2月20日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU, WPI)

 

Kavli IPMU の Elisa Ferreira (エリサ フェレイラ) 特任助教 (Credit:Kavli IPMU)

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU, WPI) の Elisa Ferreira (エリサ フェレイラ) 特任助教が第7回となる2026年の米沢富美子記念賞の受賞者の一人に選ばれました。
 

米沢富美子記念賞は、不規則系の物性理論研究者として世界的な業績を挙げるとともに、女性研究者支援活動にも熱心に取り組むなど女性物理学者の先駆者として名高い米沢富美子氏の功績を讃えて、2019年に日本物理学会が設立した賞です。女性会員の物理学分野における活動を称え、奨励することを目的としています。2026年9月開催の日本物理学会年会大会の場で授賞式が行われる予定です。

 

今回の受賞理由は「天体観測に基づく宇宙ダークセクターの素粒子物理の研究」です。まとめて「ダークセクター」と呼ばれるダークマターとダークエネルギーは、宇宙の観測から存在は明らかになっているものの、その性質は依然謎に包まれています。Ferreira 特任助教は、極めて軽いダークマターの候補として有力視されているアクシオンとダークマターの現象論に焦点を当ててきました。なかでも、10-21eV以下の極めて軽いダークマターが天文学的スケールの効果をもたらすことに着目し、理論と観測を結びつける枠組みを構築しました。加えて、矮小銀河や重力レンズ効果などの研究に新たな観測手法と解析戦略を提案し、素粒子物理学と天文学の架け橋を築いたとして、高く評価されました。更に、解析手法の高度化が宇宙論研究においても国際的に大きな影響を与えており、今後の研究の発展に大きく寄与するとして期待が寄せられています。
 

受賞にあたり Ferreira 特任助教は以下のように述べています。
「日本物理学会より米沢富美子記念賞を頂くことになり、大変光栄です。この賞は、私の研究活動のみならず、科学的なリーダーシップとメンターシップを通じて日本の科学の発展に貢献してきた証であり、意義あるものです。日本でキャリアを築くことを選択した者として、日本の物理学コミュニティから認めて頂いたことは特に意義深いです。日本物理学会に感謝致します。また、私の所属する Kavli IPMU は、野心的な科学的課題の追求を可能にする卓越性、多様性、国際性を備えた研究環境を有しており、その Kavli IPMU で働けていることを誇りに感じています。家族やメンターの皆様、Kavli IPMU のリーダーシップや同僚の方々から頂戴した励ましにも感謝しております。

故 米沢教授のご功績と物理学における卓越性と多様性への支援の重要性を考えると、この賞は特別な意味を持つと考えています。次世代の研究者、特に物理学の道を志す若い女性達にとって前向きなメッセージとなることを願っております。科学がより身近なものとなり、包括的な研究文化を築くことが私の主要な目標の一つであり、今回の受賞が、より多くの若手研究者が自信と野心を持って物理学の道を志すきっかけとなることを願っております。」


関連リンク
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