David Spergel 主任研究者が米サイモンズ財団の次期総裁に選出

2020年12月23日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)
 

2020年12月17日 (米国現地時間)、米国サイモンズ財団は、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の David Spergel (デイビッド・スパーゲル) 主任研究者が2021年7月1日付で財団の次期総裁に就任することを発表しました。

サイモンズ財団は、James Simons 氏と Marilyn Simons 氏夫妻により科学と科学教育を支援することを目的として1994年に設立された財団です。David Spergel 主任研究者は、プリンストン大学で天文学の教授を長年務めた後、サイモンズ財団 Flatiron 研究所の計算天体物理学センターの創設に携わり2016年から当センターの所長を務めています。

David Spergel 主任研究者の研究対象は系外惑星探索から宇宙の形状の研究まで多岐にわたります。なかでも、 WMAP 科学チームの主導研究者の一人として、WMAP 衛星を用いた宇宙マイクロ波背景放射 (CMB) 精密観測を行った先駆的研究業績は、宇宙の進化や銀河形成の種となる初期宇宙の密度揺らぎに関する知見を大いに向上させるなど世界的に多大な影響を与えました。この業績により、2018年基礎物理ブレークスルー賞はじめ数々の賞を受賞しています。この他にも精力的に研究を行っており、共同研究者との共著論文はこれまで300以上にのぼります。

米サイモンズ財団の総裁に選出されたことについて David Spergel 主任研究者は、「JimとMarilynの業績の一つは、真に優れた人材を財団に魅きつけ、創造的で効果的な仕事を行うことを奨励する温かく協力的な雰囲気を作り出したことです。彼らと一緒になって、財団の素晴らしい文化をこれからも維持し、多くの人々の生活に影響を与え、真に優れた研究を可能にしてきた財団の活動を継続していきます」と述べ、これまで培ってきた科学研究での経験やリーダーシップを生かして、数学と基礎科学の研究フロンティアを前進させるべく財団の活動に貢献していく予定です。

詳しくは、サイモンズ財団の記事 (英語) をご覧下さい。

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