野本憲一 Kavli IPMU 上級科学研究員が瑞宝中綬章を受章

2020年4月29日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)
 

政府は春の叙勲を2020年4月29日付で発令し、東京大学名誉教授でもある東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) の野本憲一 (のもとけんいち) 上級科学研究員が瑞宝中綬章受章者の一人に選ばれました。瑞宝中綬章は、明治8年に始まった勲章制度の流れを組み、瑞宝章は明治21年に制定されました。瑞宝中綬章を含む瑞宝章は、「公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた者」に贈られます。現在では春と秋の年2回の発令があり、春の叙勲は昭和天皇ご誕生の日にあたる4月29日の昭和の日 (旧 みどりの日) を発令日としています。

野本憲一上級科学研究員は、恒星進化の最終段階と超新星爆発、宇宙における元素合成、ガンマ線バーストや中性子星の進化過程、銀河の化学的進化など、多岐にわたる天体現象や天体進化の理論的研究で天文学に多大な貢献を果たしてきました。また、教育活動にも熱心に携わり、天文学の教育・普及と数多くの後進の育成に尽力してきました。こうした長年にわたる学術功績が今回の受章に繋がりました。

野本上級科学研究員は「これまで行ってきた研究・教育に対して、このような勲章をいただくことを大変光栄に思います。また、研究・教育を遂行できる環境を与え支援してくださった多くの方々、国内外の多くの共同研究者や学生の皆様に心から感謝したいと思います。この受章を励みとして、今後も天文学・物理学の研究・教育の更なる発展に微力ながら貢献していけたらと考えております」と述べています。

なお、2020年5月に伝達式及び天皇陛下への拝謁が予定されていましたが、新型肺炎感染防止の観点から中止となりました。

 

野本氏の経歴等

学歴
1969年 東京大学理学部天文学科卒業
1974年 東京大学大学院理学研究科天文学専攻博士課程修了

職歴
1974年 日本学術振興会特別研究員
1976年 茨城大学理学部物理学科助手
1982年 東京大学教養学部基礎科学科第二・助手
1985年 東京大学教養学部宇宙地球科学科助教授
1989年 東京大学理学部天文学科助教授
1993年 東京大学大学院理学研究科天文学専攻教授
2008-2017年 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究者・特任教授
2014-2017年 浜松プロフェッサー[宇宙のダークサイド(浜松ホトニクス)寄付研究部門]
2010年- 東京大学名誉教授
2017年- 上級科学研究員

受賞歴
1989年 仁科記念賞
1995年 日本学士院賞
2010年 IAP(パリ天体物理学研究所)メダル
2015年 マルセル・グロスマン賞
2019年 ハンス・ベーテ賞(アメリカ物理学会)
 

関連リンク
日本の勲章・褒章 (内閣府のページ)

勲章の種類及び授与対象 (内閣府のページ)

野本憲一氏のホームページ