津久井崇史特任研究員がオーストラリア天文学会の Louise Webster Prize を受賞

2026年7月17日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU, WPI)

 

津久井 崇史 Kavli IPMU 特任研究員

2026年7月7日、キャンベラで開催されたオーストラリア天文学会 (ASA) 年次大会において Louise Webster Prize の受賞者が発表され、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU, WPI) の津久井崇史 (つくい たかふみ) 特任研究員が受賞しました。Louise Webster Prize は、博士号取得後のキャリア初期にある研究者の優れた研究を称える賞です。今回の受賞は、津久井さんがオーストラリア国立大学 (ANU) での研究員時代に発表した、銀河の円盤がどのように形成されたかに関する論文が評価されたものです。

現在の宇宙にある多くの円盤銀河は、若い星からなる薄い円盤と古い星からなる厚い円盤の二層構造を持っています。このような構造がいつどのように形成されるかに関しては最初の発見から数十年にわたり議論が続いており、これまでの円盤二層構造の観測は天の川銀河や近くの銀河に限られていました。

そこで津久井さんは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST) の精細な観測画像を使って115億年前までの銀河を解析しました。その結果、遠い過去の宇宙にも薄い円盤と厚い円盤があることを初めて確認しました。また、宇宙の歴史を通じて銀河がどのように円盤を形成してきたかをたどり、初期の宇宙ではほとんどの銀河が単一の厚い円盤を持っており、薄い円盤はその内側で後から形成されたという構造の変遷を明らかにしました。

これまで近傍の銀河、つまり現在の宇宙の姿のみで研究されてきた問題に「時間」という次元を加えたことで、数十年にわたる謎の解明につながる大きな一歩となりました。津久井さんの観測結果は、すでに銀河の円盤形成に関する新しい理論モデルの検証にも使われています。

津久井さんは今回の受賞について以下のように述べています。
「Louise Webster Prize をいただき大変光栄です。共同研究者の Emily Wisnioski 氏、Joss Bland-Hawthorn 氏、Ken Freeman 氏、そして ANU での同僚、友人、家族に感謝しております。その支えがなければ、今回の成果はなかったと思います。これを励みに、今後も多くの人にわくわくしてもらえるような銀河形成の新たな側面を探究し続けます。」
 

関連リンク
Seven million cosmic alerts a night. Ghost galaxies hiding in plain sight, and other prizes (オーストラリア天文学会の記事)

Louise Webster Prize 賞について (オーストラリア天文学会のページ)