Focusing Optics X-ray Solar Imager (FOXSI)

太陽は地球に最も近い恒星です。そのため、空間的、時間的にも、放射される広範囲の波長の光を詳細に調べることが可能です。したがって、太陽は高エネルギー宇宙物理学の研究において非常にユニークな存在です。

The Focusing Optics X-ray Solar Imager (FOXSI) は、NASAのロケット実験のプロジェクトで、太陽表面での粒子加速やコロナ加熱など、これまで未解明の問題を、20 keV までの硬X線領域で、かってない高い分解能の撮像分光観測をおこない、解明しようとするものです。FOXSIは、はじめて望遠鏡と高精度の焦点面イメージングセンサーを用いた太陽の直接観測を行ないます。これによって、従来のミッションでは到達できなかったような高い感度の観測が実現します。我々は、すでにFOXSI-1, FOXSI-2のための焦点面検出器を供給してきました。

FOXSIの高い感度を実現するためには、硬X線光子を一つ一つ検出することができる焦点面検出器が必要です。私たちは、観測から要求される空間分解能、エネルギー分解能、低エネルギーの閾値、時間分解能を共に実現するものとして、FOXSI-1からこの焦点面検出器として、シリコン(Si)両面ストリップ検出器(Si DSSD)を提供してきました。Si DSSD は厚さ500 μm、大きさ 9.6 mm×9.6 mmをもち、直交した128ものストリップ電極を両面にもちます。ストリップは 75 μmの幅をもっており、2mの焦点距離で、8秒角に相当します。性能向上のため,私たちは、60 μmというこれまでにない電極幅を持つテルル化カドミウム半導体の両面ストリップ検出器の開発を行い,FOXSI-2より搭載しています。このCdTe-DSD により,私たちはFOXSIに搭載された望遠鏡の性能をフルに活かすことができるようになりました。2mの焦点距離で、5秒角に相当します。

FOXSI-3実験においては、CdTe DSDがさらに高性能のものに置き換えられています。また,7台の望遠鏡のうち1台に0.5 keVから撮像分光観測可能なソフトX線のためのSi CMOS型の焦点面検出器が初めて搭載されます。
(Last update: 2019/01/15)

 

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