平成21年度東京大学総長賞受賞 --田中雅臣特任研究員--

 IPMU博士研究員の田中雅臣氏が平成21年度東京大学総長賞を受賞いたしました。

授賞理由は以下の通りです。

超新星爆発の観測的・理論的研究

 田中雅臣氏 田中雅臣氏 われわれの周りにある炭素、酸素、 鉄などの元素の大部分は、宇宙で輝く恒星により合成され、恒星が一生の最期に起こす「超新星爆発」という大爆発によって宇宙空間に放出されると考えられて います。しかし、その爆発のメカニズムは長年に亘って未解決のままであり、天文学の大きな問題の一つとなっています。田中氏は、観測的手法と数値シミュ レーションを用いた理論的手法の双方を用いて超新星爆発の研究を行ってきました。特に、すばる望遠鏡を用いた研究では、超新星が放つ様々な方向に振動する 光(偏光)を観測し、爆発が複雑な三次元構造をもっていることを明らかにしました。これは、超新星爆発のメカニズムの解明に向けた新たな一歩となるもので す。同氏は東京大学在学中に、研究成果を学術論文で発表するだけではなく、大学生向けの教科書の執筆も行っており、2009年には研究成果が新聞等で報道 されるなど、その業績が高く評価されました。