機構長からのメッセージ (4月27日)

世界各地の関係者の皆様

IPMUのある東京周辺の地域は、3月11日に発生した地震、津波、原発事故からほとんど平常の状態に戻っています。 震災から直接受けた影響は、 IPMUとその周辺では少なくて済みましたが、計画停電や生活物資の不足などにより不便を感じたことは確かです。 現在、計画停電は正式に終了し、物資の供給もほぼ平常時の状態に戻りました。

一方で、広く懸念されているのが福島第一原子力発電所の事故による放射能漏れに関してです。 放射能に対して安全と考える領域は人により異なりますが、客観的に事実を知ることはとても大切なことです。 日本各地で測定される環境放射線測定値は、文部科学省により英語、中国語、韓国語でも発表されています。 日本政府の報告は、国際原子力機構(IAEA)などの国際機関によって検証されています。 私自身は、1時間当たり1マイクロシーベルト以下の数値は心配しておりませんし、これらの測定値は下がり続けています。

海外へ渡航していたIPMUの研究者たちは、渡航先より日本の状況を見守っていましたが、現在、その大半はIPMUに戻り、通常どおり研究に従事しています。

米国務省は、日本への「渡航自粛勧告」を解除しました。 現在、日本は「渡航注意」に位置づけられ、福島第一原子力発電所から半径50マイルの圏外については、 "深刻な脅威にならない" と明確に述べられています。 世界保健機構は、健康への潜在的なリスクについてFAQを公開しています。

この様に申し上げたものの、被災地では長期的な復興の道を歩まなければならないことを私たちは自覚しておかなければなりません。 私は、被災地での各国からの救援活動に非常に感謝しており、深い感銘を受けました。 今後 の更なるご支援に感謝します。 日本赤十字社では、PayPal および銀行振り込みによる義援金を受け付けています。

村山斉