高校生ウィンター・サイエンスキャンプ '13-'14参加者募集開始

2013年10月11日
東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)

2013年12月25日〜27日、東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)は、高校生を対象とした先進的科学技術体験合宿プログラム「ウィンター・サイエンスキャンプ '13-'14」の一環として、「ひらけ宇宙の扉~数学と物理学の挑戦~」を開催します。参加申込方法、プログラム詳細等は募集ホームページをご参照ください。なお、参加申込は郵送で、11月8日(金)必着です。

「サイエンスキャンプ」は、1995年にスタートした、次代を担う青少年が、先進的な研究施設や実験装置がある研究現場等で実体験し、第一線で活躍する研究者、技術者等から直接講義や実習指導を受けることにより、科学技術に対する興味・関心を高め、学習意欲の向上を図り、創造性や知的探究心、理数の才能等を育てることをねらいとしているプログラムで、独立行政法人 科学技術振興機構が主催しています。「ウィンター・サイエンスキャンプ '13-'14」にはKavli IPMU以外にも、高エネルギー加速器研究機構(KEK)をはじめ、多くの大学、研究機関のプログラムが用意されており、2013年12月下旬から2014年1月上旬の冬休み期間中に開催されます。

お申込・お問合せ先

サイエンスキャンプ本部事務局:
公益財団法人 日本科学技術振興財団 人財育成部内
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2 番1 号
電話:03-3212-2454(平日9:15~12:00,13:00~17:15)
FAX: 03-3212-0014 E-mail: c a m p - b o s h u 2 5 @ j s f . o r . j p
サイエンスキャンプ募集ホームページ:http://www.jst.go.jp/cpse/sciencecamp/camp/
スマートフォン専用サイエンスキャンプ募集ホームページ:http://www.jst.go.jp/cpse/sciencecamp/camp/sp/

Kavli IPMUのプログラム

ひらけ宇宙の扉〜数学と物理学の挑戦〜

会期:2013年12月25日(水)~12月27日(金)2泊3日
会場:東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構
千葉県柏市柏の葉5-1-5(つくばエクスプレス線「柏の葉キャンパス駅」より、バス約10 分)
URL: http://www.ipmu.jp/

概要

 物理学や数学は、誰もがあっと驚くような不思議な現象の発見や天才的なアイデアが積み重なって発展してきました。例えば、20 世紀の始め頃にアインシュタインが発表した相対性理論は「時間」と「空間」に関する常識を根底から覆し、物質の起源や宇宙の謎に挑む現代物理学に決定的な役割を果たしました。相対性理論では当時最先端の数学がふんだんに使われていますが、これらの理論の源流は古代ギリシャ時代にすでに見られます。古く素朴な問題が天才たちによって抽象化され、宇宙を語る言葉に昇華したのです。
今回のサイエンスキャンプでは、相対性理論や作図問題などを通じて現代物理学と数学の基礎となる考え方を学ぶと共に、初期宇宙、素粒子、超新星、結び目理論など最前線の研究に触れてみましょう。
事前の予習は必要ありません。必要なのは興味だけです! 物理学と数学が織りなす新しい世界をのぞいてみませんか。

プログラム内容(予定)

(1)「現代物理学における時間と空間」

1905 年にアインシュタインは時間・空間の概念に関する常識を覆すアイデアを発表し、物理学の世界に革命を起こしました。今回はこの理論の入門的な解説をしつつ、時間と空間について考えていきたいと思います。

(2)「コンパスと定規から広がる方程式の世界」

コンパスと定規を用いて作図をした経験は誰しもあると思います。本講義では古代ギリシャから2000 年近く人々を悩ませた作図問題を扱います。一見人為的な作図問題ですが、背後に潜む考えは現代数学につながっています。人間の歩んできた思考の歴史を味わってもらいたいと思います。

(3)「インフレーション宇宙論」

宇宙論とは、私たちの宇宙に観測データと物理学と数学を駆使して挑む学問です。生まれて間もない宇宙に起こったインフレーションという急激な膨張で生じた量子揺らぎが、銀河などの宇宙の豊かな構造の種になったと考えられています。この講義では、インフレーション宇宙論の基本を解説します。

(4)『Supernovas: can't live with them, can't live without them』

※ この講義はアメリカ人講師が実施します。研究には欠かせない言語である英語のリスニングにも挑戦してみましょう。
天空に一段と明るく輝く“新星”、超新星(超新星爆発)はダイナミックな天体現象として人類の歴史において畏敬の対象となってきました。
鉄より重い元素を作り出す創造主であるとともに、100 光年以内のものを完全に破壊するおそるべき力も持つ超新星に関する研究や実験についてお話します。

(5)「結び目の数学」

数学は自由。数や多項式だけではなく、結び目でも数学ができます。そこでは今までの数学の概念を打ち崩すような、自由な発想で理論が繰り広げられます。

(6)研究者との懇談

Kavli IPMU の研究者が集まり分野や国籍を超えて議論を交えるティータイムに参加し、数学、物理学、天文学など自分の興味のある分野の研究者に積極的に質問してみよう。

2011年12月のサイエンスキャンプにて2011年12月のサイエンスキャンプにて

リンク

2011年12月にIPMUで開催されたサイエンスキャンプ「数学と物理学で挑む素粒子と宇宙」の様子