戸田幸伸特任准教授、第11回日本学術振興会賞を受賞

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構の戸田幸伸(とだ ゆきのぶ)特任准教授が第11回日本学術振興会賞を受賞しました。

日本学術振興会賞は、人文・社会科学及び自然科学の全分野における優れた若手研究者の顕彰・支援を目的として創設されました。顕著な研究業績をあげた若手研究者(45歳未満)に贈られます。授賞式は平成27年2月24日(火)に日本学士院で行う予定です。戸田特任准教授は2014年度数学会春季賞に続く受賞となりました。

今回の受賞対象となった研究は「連接層の導来圏と数え上げ不変量」です。昨今世界的にそして数学だけでなく物理学においても注目されている3次元カラビ・ヤウ多様体の研究ですが、戸田特任准教授はその3次元カラビ・ヤウ多様体内にどの位曲線が存在するか?と問う曲線数え上げ幾何学において、ある種の規則性があるという予想を証明することに成功しました。この成果は、「連接層の導来圏」という非常に抽象的な概念を用いることで、従来行われてきた具体的計算が可能な特殊なカラビ・ヤウ多様体だけでなく一般のカラビ・ヤウ多様体の研究を可能にするなど、革新的な成果を挙げたものとして評価され、今回の受賞に繋がりました。

戸田特任准教授による解説

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戸田幸伸特任准教授 略歴
1998年3月 秋田県立大館鳳鳴高校卒業
2002年3月 東京大学理学部数学科卒業
2004年3月 東京大学大学院数理科学研究科修士課程修了
2006年3月 東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了
2006年4月 日本学術振興会特別研究員PD
2008年1月 東京大学数物連携宇宙研究機構特任助教
2008年11月~現在 東京大学数物連携宇宙研究機構特任准教授
(2012年4月より東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構)

関連リンク

 

第11回(平成26年度)日本学術振興会賞

戸田幸伸特任准教授、2014年度数学会春季賞を受賞