3/19(土)-25(金), 上野駅13番線ホームにて ファンダメンタルズ フェスminiーアーティストと科学者 交流の過程の展示 開催

2022年3月2日
東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)

2022年3月19日 (土) から25日 (金) の7日間、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) は、科学技術広報研究会(JACST) 隣接領域と連携した広報業務部会と共催、大阪大学大学院理学研究科、理化学研究所 数理創造プログラム、JR東日本の協力を受け、JR上野駅13番線ホーム (東京都台東区) において、「ファンダメンタルズ フェスmini」を開催します。

昨年7月以来交流を深めてきた、幅広いジャンルの現代美術のアーティストと最先端の科学者15組の交流の途中経過を、「問い」を切り口として広く皆様と共有する展覧会です。
終着点が見えていない、手探りで進行中の交流の只中が開示されます。私たちが考えたいことは何なのか、どのようにしたら考えられるのか、私たちもまた両者の手つきを身につける手がかりがみつかるかもしれません。

会場となるJR上野駅13番線ホームは、上野駅地平にある櫛形ホームの一番端の単独ホームであり、ヨーロッパのターミナル駅の趣があります。本企画では、駅という開かれた鉄道空間である13番線ホームにて、個々別々の生を生きる私たちが「普遍」によりつながる可能性を試みます。ぜひ多くの方に足をお運びいただけますと幸いです。

なお、本企画に来年度ご参加いただける科学者とアーティストを広く募っています。科学・美術・私たち(社会)が相互に伴走することを試みる稀有な機会となります、ぜひご活用を検討ください。

 

展覧会概要

展覧会名 :ファンダメンタルズ フェスmini
会 期 :2022年3月19日 (土) - 3月25日 (金)
開室時間 :10:00-18:00(3/19(土), 22(火)は12:00開始、3/20(日), 24(木)は15:00終了)※会期中無休
会 場 :JR上野駅13番線ホーム(東京都台東区上野7丁目)
料 金 :無料*
主 催 : 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)
共 催 : 科学技術広報研究会 (JACST) 隣接領域と連携した広報業務部会 
助 成 : 日本学術振興会 (JSPS)
協 力 : 大阪大学大学院理学研究科、理化学研究所 数理創造プログラム、JR東日本
*改札外からご利用の場合は、JR東日本上野駅を区間に含んだ乗車券類または入場券(140円)のお買い求め、もしくはIC入場サービス「タッチでエキナカ」(140円)で、ご入場ください。

Webサイト:https://fundamentalz.jp
問合わせ先:東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構 広報
Tel:04-7136-5981 (本企画担当:坪井), E-mail:press_at_ipmu.jp, Fax:04-7136-4941
*_at_を@に変更してください


展覧会について (企画者より)

私たちは、個々の多様性を尊重しあい、別々に具体的な日々を送っています。同時に、SNSを介して、あるいは「連帯」や「公共」を介して、個々別々の間のつながりをなんとか見出そうとしています。
 
そのような中、今、アーティストと科学者の交流において、何かが形成されつつあるということは、何を意味するでしょうか。方法、出力、マナー、その幾層もの異なりを飛び越えて、もし両者が正しく出会うことができているならば、それは個別・具体が、真理・普遍と結びついているとは考えられないでしょうか。そして彼らが出会うその場が広く私たち(社会)に開かれたならば、それは科学とアートが私たち(社会)と、そして個別・具体を生きる私たち(社会)が普遍や真理と、新たにつながり直しているとは考えられないでしょうか。本企画展覧会では、新たなつながり方――アーティストと科学者の交流を媒介とすることで、個々別々の私たちが「普遍」を介してつながる可能性を試みます。

なお、この形成の成熟には時間を要するため、本展覧会では、アーティストと科学者が、手探りで進行している交流の只中を開示します。互いに他者を見出し、個別具体の異同を感知し、それを普遍に通ずるものとして丁寧に思考していく両者の「交流の過程」に触れることで、個々の私たちもまたつながりに至るその手つきを身につける手がかりを見出せることでしょう。ぜひ足をお運びいただけますと幸いです。

さらに、来年度の本企画への科学者とアーティストの参加者は、2022年の3月に公募予定です。科学者とアーティストの皆様は、ご参加を検討いただけるようですと幸いです。

*本展覧会は日本学術振興会 (JSPS) の科学研究費助成事業 (科研費)「多機関による科学と隣接領域を連携したアウトリーチ活動の検証とプラットフォーム構築」(21H04053)の助成を受けたものです。

出展作家/科学者

アーティスト:

うしお, 木村亜津, 黒沼真由美, 澤崎賢一, 古谷咲, 前川紘士, 山根一晃, Nerhol

科学者:

石河睦生(医用工学, 桐蔭横浜大学 医用工学部), 石津智大(神経美学, 関西大学 文学部), 一ノ瀬俊明(都市環境学, 国立環境研究所 社会システム領域), 冨田秀一郎(発生生物学, 農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能利用研究部門), 中島啓(幾何学的表現論, カブリ数物連携宇宙研究機構), 波多野恭弘(非平衡物理学, 大阪大学 大学院理学研究科), 水元惟暁(行動生態学, 沖縄科学技術大学院大学 進化ゲノミクスユニット), 湊丈俊(表面界面科学, 分子科学研究所 機器センター), Hannes Raebiger(物性物理学, 横浜国立大学 大学院工学研究院)

展覧会の特徴

15組の科学者とアーティストの交流の過程の展示

決して出会うことのなかった、科学者とアーティスト、17名は、昨年7月以来、15組のペアとなって交流を重ねています。出自の全く異なる者同士によるこの交流の成熟には時間を要します。本展覧会では、終着点が未だ見えない中、手探りで進むその只中が、広く私たち(社会)と共有されます。両者の交流の途上に触れることで、私たちもまた普遍に通じる何かを追うという態度そのものの重要性に思いを馳せ、いつしかその試みへと足を踏み出すことになるでしょう。

どのような問いを持ち交流しているのか

参加している科学者が専門としている領域、そしてアーティストが扱うメディアは、実に多様です。当然、形成されたペアが追う問いもまた、多岐にわたるものになりました。中でもいくつかのペアに共通して見られるのは、両者において異質性、同質性が入れ子構造を成している様子です。この問いの探究は未だ試行過程にあり、手探りで進んでいます。

上野駅13番線ホームでの開催

会場となるホームは、上野駅地平にある櫛形ホームの一番端の単独ホームであり、ヨーロッパのターミナル駅の風情を漂わせています。かつては北の玄関口と呼ばれていましたが、現在は、一日に数本の電車が発着しています。本企画は、駅という開かれた鉄道空間である13番線ホームにて、科学者とアーティストとの交流を通じて個別と普遍が出会うという異質な結びつきの途中経過を、広く私たち(社会)と共有します。

対象別の多彩な関連プログラム(オンライン開催)

プレイベントとして、3つの異なる対象 − アーティスト、科学者、学生・社会人、それぞれに向けた3回連続のオンライン座談会を行います。美術篇には美術批評を専門とする3名の実践者に、科学篇は基礎科学と社会をつなぐ活動に意識的な科学者に、社会篇には、学知と社会をつなぐビジネスを起業した3名の実践者にそれぞれ登壇いただき、議論を広く開きます (※美術篇, 社会篇は終了しましたが、youtubeからアーカイブ視聴は可能です)。
会期中は連日、小学生を対象としたプログラム、参加する科学者とアーティストの対話、哲学の専門家を介した展示作品の深堀り、参加する科学者によるサイエンスカフェなど、多彩な専門家による様々なプログラムを実施します。

展示構成

平面、立体、インスタレーション、映像、ドキュメンテーションを含む、17名の科学者とアーティストの交流の経過を示す19点の展示物を、上野駅13番線ホームに展示します。
それに加えて、昨年6月に実施し、今年3月に来年度の参加者を募集予定の「ファンダメンタルズ バザール」の記録映像を含む、ファンダメンタルズ プログラムについてもご紹介します。

関連プログラムのご案内

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プレイベント

会期に先立ち、アーティスト、科学者、学生・社会人の3つの異なる対象別に3つのオンライン座談会を実施します。各回に専門家を複数招き、ファンダメンタルズを場として広く議論を開きます。申込不要。無料。(※美術篇, 社会篇は終了しましたが、youtubeでアーカイブの視聴は可能です)

美術篇「美術という”謎”」
日時:2月15日(火) 19:00-20:30
登壇者:沢山遼(美術批評)、中尾拓哉(芸術学)、星野太(美学)
https://www.fundamentalz.jp/post/20220215-festival-pre01

社会篇「学知は”役に立つ”:価値の再考」
日時:2月25日(金) 19:00-20:30
登壇者:加藤哲彦(株式会社トイビト 代表)、西村勇哉(NPO法人ミラツク 代表理事 / 株式会社エッセンス 代表取締役)、深井龍之介(株式会社COTEN 代表)
https://www.fundamentalz.jp/post/20220225-festival-pre02

科学篇「探究と架橋:基礎科学の可能性」
日時:3月10日(木) 8:00-9:30
登壇者:佐々田槙子(東京大学 大学院数理科学研究科 准教授)、初田哲男(理化学研究所 数理創造プログラム プログラムディレクター)、山極壽一(総合地球環境学研究所 所長)
https://www.fundamentalz.jp/post/20220310-festival-pre03

会期中イベント

出展中の科学者・アーティストによるオンライントーク: 3月19(土)-25(金)各19:00から。詳細はファンダメンタルズウェブサイトにて。申込不要。無料。
Aトーク
展示作品を媒介に、交流してきた科学者とアーティストそして哲学の方を迎えて対話を深めます。
Bトーク
交流してきた科学者とアーティストが、展示記録を媒介として対話を振り返ります。
サイエンスカフェ
参加科学者がそのサイエンスをわかりやすくお話しします。
こども向けオンラインプログラム
小学4-6年生対象。各回15名程度、要事前申込(17日まで)。参加費無料。LITTLE ARTISTS LEAGUE x 隣接部会 presents。

  • 「ファンダメンタルズ フェスmini こども鑑賞会」
    日時:3月19日(土) 10:00-12:00
  • 「こどもワークショップ:科学者とアーティストから学ぶ問う力(フラクタル篇) 」
    日時:3月21日(月・祝) 15:00-16:00
    登壇者:角大輝(ランダム 複素力学系・フラクタル)、野村康生(アーティスト)

ファンダメンタルズ プログラムとは

最先端科学を中心とした分野の研究者と現代の美術を中心とした作家のことを、共に何か普遍に通ずるものを追うものとして “ファンダメンタルズ”と名付ける。
(1)多様なファンダメンタルズが一切の偏見なく交流ができる環境を整備する。(2)目先の意味を超えて何か普遍に通ずるものを追うということ自体に大きな意味があることを広く私たち(社会)と共有していく。この2点により、科学・アート・社会を新たに結びつけ直し、各領域を活性化させること、それが新たな文化を形成することを目指すプログラム。2020年より主にJACST 隣接領域と連携した広報業務部会が中心となって実施。

科学技術広報研究会 (JACST)  隣接領域と連携した広報業務部会とは

科学技術広報研究会(JACST:Japan Association of Communication for Science and Technology)は、研究機関や大学などの広報担当者が、所属する組織の枠をこえて、広報活動における課題を共有し、それらを通してお互いに助け合い、共に成長していくことを目指した独立した互助組織です。2007年に設立され、現在136機関から203名の広報担当者が参加している。
隣接領域と連携した広報業務部会は、JACSTにある部会の1つで、大阪大学大学院理学研究科、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)、人間文化研究機構 総合地球環境学研究所、理化学研究所 脳神経科学研究センター(CBS)等に所属する広報担当者から構成される。例えば、芸術や哲学など科学と隣接していると思われる分野と連携した広報業務を実践的に研究している。

カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)とは

2007年、文部科学省による事業「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」に採択され、東京大学をホスト機関として発足。世界中から集まった約100名の数学、物理学、天文学など3つの領域の研究者が連携し、宇宙の5つの謎;宇宙の始まり、終わり、何でできていて、どのような法則が働いているのか、我々はなぜ宇宙に存在するのか、の解明に取り組んでいる。2012年には米国Kavli財団から寄附を受けて、数物連携宇宙研究機構 (IPMU) から、カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) と改称。多数の国際共著論文と高被引用論文を輩出している。2018年から素粒子論を専門とする大栗博司が機構長。


お問い合わせ先

坪井あや(科学技術広報研究会 (JACST) 隣接領域と連携した広報部会 / カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)): contact_at_fundamentalz.jp
*_at_を@に変更してください

ファンダメンタルズWebサイト・SNSアカウント

Web: https://fundamentalz.jp
Facebook: https://www.facebook.com/fundamentalz.B
Twitter: http://twitter.com/fundamentalz_B
YouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/c/ファンダメンタルズ
Instagram: http://instagram.com/fundamentalz_B


Kavli IPMU ×(かける)コレクション とは

基礎科学/純粋科学に分類されるKavli IPMUの研究者と他分野の専門家との交流を試みるシリーズです。これまでのイベントはこちら