宇宙の夜明けにある巨大天体ヒミコの姿がハッブル宇宙望遠鏡とアルマ電波望遠鏡の観測で明らかに

2013年11月22日
東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構

ハッブル宇宙望遠鏡とアルマ電波望遠鏡の観測で得た知見を元に描いたヒミコの想像図。(画像提供:国立天文台)ハッブル宇宙望遠鏡とアルマ電波望遠鏡の観測で得た知見を元に描いたヒミコの想像図。(画像提供:国立天文台)東京大学宇宙線研究所の大内正己准教授(カブリ数物連携宇宙研究機構科学研究員を併任)らは、ハッブル宇宙望遠鏡とアルマ電波望遠鏡による最新の観測データを使い、宇宙が8億歳(現在の宇宙年齢の僅か6%)だった時代に存在するヒミコと呼ばれる巨大天体が複雑な構造を持ち、希な三体合体を起こしている事をつきとめました。

またビッグバンでは生成されない重い元素が発する電波は検出されず、この巨大天体は原始的な古代の天体である事がわかりました。

今回の観測結果は、宇宙が星々の光で満たされ始めた「宇宙の夜明け」と呼ばれる時代において、銀河が作られる最初の過程を明らかにする上で重要な知見を与えました。

宇宙線研究所のウェブサイトで続きを読む

本研究成果は2013年12月1日発行の米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に掲載されます。

この研究は宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)の研究資金を通してアメリカ航空宇宙局(NASA)から資金援助を受けています。STScIはNASAの協定NAS 5-26555の下、天文学研究大学連合により運営されています。本研究に参加した研究者の一部は、文部科学省の世界トップレベル研究拠点事業(WPIプログラム)と日本学術振興会の科学研究費基盤A(23244025)からの援助を受けています。この研究はADS/JAO.ALMA#2011.0.00115.Sのアルマ望遠鏡のデータを使用しています。アルマ望遠鏡はチリ共和国と連携し、NRC(カナダ)、NSCとASIAA(台湾)の協力の下におけるESO(協力国の代表名)、NSF(アメリカ)、NINS(日本)の共同事業です。合同アルマ観測所はESOとAUI/NRAOとNAOJによって運営されています。この研究はスピッツアー宇宙望遠鏡の観測データを用いています。スピッツァー宇宙望遠鏡はNASAとの協定の下、カリフォルニア工科大学のジェット推進研究所(JPL)により運用されています。本研究には、カリフォルニア工科大学JPLを通じてNASAが提供した研究資金が用いられています。