フレッド・カブリ氏(米国カブリ財団会長・創設者)の逝去について

2013年11月22日
東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)

米国カブリ財団会長で創設者のフレッド・カブリ氏(享年86歳)が2013年11月21日逝去されました。

フレッド・カブリ氏 (提供: Dan Dry)フレッド・カブリ氏 (提供: Dan Dry)

ノルウェー生まれの米国人フレッド・カブリ氏は、ノルウェー工科大学卒業後、渡米。1958年にカブリコ・コーポレーションを設立し、同社を 航空宇宙、自動車および産業用アプリケーション用センサーにおける世界有数の企業に育てあげた後、2000年に同社の株式を売却した資金で基礎科学への支援通じてその恩恵を社会へ還元することを志し、カブリ財団を創設しました。
カブリ財団は、現在世界17カ所のカブリ冠の研究所への支援やカブリ賞の創設など基礎科学への多大な貢献を行うとともに、フレッド・カブリ劇場の建設含めた多くの慈善活動を行っています。

カブリ数物連携宇宙研究機構は2013年4月にカブリ財団の支援を受け、日本で初めて、また世界で16番目のカブリ冠の研究機関となり、この支援に対し、2012年に東京大学からフレッド・カブリ氏に東京大学稷門賞が贈られています。

生前のカブリ氏からのご厚情に改めて感謝を捧げるとともに、ここに謹んで哀悼の意を表します。

 

 
<東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長 村山斉コメント>

「フレッド・カブリ氏の突然の訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。カブリ氏は基礎科学の発展は人類に恩恵をもたらすことを心から信じていました。彼の情熱は後世へと受け継がれていくことでしょう。カブリ数物連携宇宙研究機構は2012年にカブリ冠の研究所となりましたが、その記念式典でのカブリ氏のスピーチは感動的で、今でも私の心に深く刻まれています。私たちは類まれなる先見性を持った偉大な人物を失いました。心よりご冥福をお祈りいたします。」

>>> カブリ財団ホームページ(英語)