2021年7月19日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)
2021年7月13日、アスペン物理学センター (Aspen Center for Physics) の会員総会において、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) の大栗博司 (おおぐり ひろし) 機構長がアスペン物理学研究所の理事長 (Chair of the Board of Trustees) に選出されました。
アスペン物理学研究所は、物理学者に研究に専念できる環境を与え、自由な発想のもと、分野の垣根を超えて議論することで新たな研究の方向性を生み出すことを目的として、1962年に設立されました。米国有数のリゾート地であるコロラド州アスペンに位置し、1000名を超える世界各国の物理学者が滞在して研究を行う世界的な物理学研究施設の一つです。物理学者の会員と理事からなる非営利法人が運営しており、どこの大学にも所属していない研究所というユニークな体制を特徴としています。ここで物理学者達が議論し生まれた新しいアイディアにより、素粒子物理学、天体物理学、物性物理学をはじめとした物理学分野全般における様々な発見がもたらされています。大栗機構長は、2003年からアスペン物理学研究所の会員となり、2011年から理事に就任。2016年から2019年まで総裁を務めるなどアスペン物理学研究所の活動に貢献してきました。
過去のアスペン物理学研究所理事長には、クォーク模型の提唱者として名高い1969年ノーベル物理学賞受賞者の Murray Gell-Mann (マレー・ゲルマン) 氏や物性物理理論の大家で1977年ノーベル物理学賞受賞者の Philip Anderson (フィリップ・アンダーソン) 氏、米国のフェルミ国立加速器研究所初代所長を努めた Robert Wilson (ロバート・ウィルソン) 氏、フェルミ国立加速器研究所二代目所長でミュー型ニュートリノ発見や人工的にミュー型ニュートリビームを生成するなどの功績により1988年にノーベル物理学賞を受賞した Leon Lederman (レオン・レーダーマン) 氏も選出されています。
大栗氏は今回の理事長選出に際し、
「世界的に重要な研究機関であるアスペン物理学センターの理事長に選出されたことを光栄に思います。新型コロナウイルス感染症の世界的流行の間に得た教訓を生かし、この研究所をより強靭な体制にするお手伝いをします」と述べています。
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関連リンク
アスペン物理学研究所のホームページ(英語)