2017年1月13日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)
2017年1月12日、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) 特任教授を兼ねる吉田直紀 (よしだなおき) 東京大学大学院理学系研究科教授が第13回の日本学士院学術奨励賞を受賞することが発表されました。12月末に発表された日本学術振興会賞に続いての受賞です。
日本学士院学術奨励賞は、優れた研究成果をあげており今後の活躍が特に期待される若手研究者を顕彰し、今後の研究を奨励することを目的として2004年に設立されました。受賞者は、日本学術振興会賞の受賞者の中から選ばれます。今回の日本学士院学術奨励賞は、今年度の日本学術振興会賞受賞者から特に優れた業績をあげたとされる若手研究者6名に授与されます。
吉田特任教授の受賞理由は「大規模数値シミュレーションに基づく初期宇宙での構造形成の研究」です。吉田特任教授は、共同研究者と GADGET というシミュレーションコードを開発し、そのコードを用いて初期宇宙の構造形成や進化、初代星形成、超巨大ブラックホールの起源を探る研究を行ってきました。今では、GADGET は大規模コンピューターシミュレーションによる宇宙研究の分野では世界標準となっています。GADGET 開発とこれまでのシミュレーション研究の成果の数々が、宇宙進化の理解に新しい時代を開きつつあり今後の発展が期待されるとして、日本学術振興会賞受賞者の中から更に選ばれ日本学士院学術奨励賞の受賞につながりました。
日本学士院学術奨励賞及び日本学術振興会賞の授賞式は、2017年2月8日に日本学士院で行われました。詳細は計算基礎科学連携拠点の記事をご覧ください。
吉田直紀氏 略歴
1996年 東京大学工学部卒
1998年 東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
1998年 スウェーデン王立工科大学工学系研究科修士課程修了
2001年 ハーバード大学天文学科博士研究員
2002年 マックスプランク宇宙物理学研究所博士課程修了
2002年 Ph.D.(天文学)の学位取得(ミュンヘン大学)
2003年 日本学術振興会特別研究員-SPD
2004年 名古屋大学理学研究科助手
2008年 東京大学数物連携宇宙研究機構特任准教授
2012年 東京大学大学院理学系研究科教授
2014年 科学技術振興機構CREST研究代表者
2014年 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構特任教授
主な受賞歴
2016年 日本学術振興会賞
2006年 日本天文学会研究奨励賞
2008年 IUPAP若手科学者賞
(International Union of Pure and Applied Physics Young Scientist Prize)
関連リンク
日本学士院学術奨励賞のページ
計算基礎科学連携拠点の記事
関連記事
吉田直紀特任教授が第13回の日本学術振興会賞を受賞
Kavli IPMU News Vol.27 (September 2014)
Feature 吉田直紀「宇宙の構造形成のコンピューターシミュレーション」
http://www.ipmu.jp/sites/default/files/webfm/pdfs/news27/J02_FEATURE.pdf
はてな宇宙 (研究解説動画) 吉田直紀 「第5回:宇宙の構造形成」
http://www.ipmu.jp/ja/node/440
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