2023年9月1日
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)
2023年11月25日 (土)、女子学部生及び女子大学院生のみなさんに向けたイベント「やっぱり物理が好き！ ～物理に進んだ女子学生・院生のキャリア～ 」を今年はハイブリッド開催 (全面オンライン開催に変更) いたします。「やっぱり物理が好き！」の開催自体は、今年で8回目となりました。世界の中において、日本の物理学科及び専攻の女子学生、大学院生の割合は低い状況です。これから物理を学ぼうという学生や物理分野に進学した学部生及び大学院生を支援するために、様々な講師の方をお招きしキャリアパスを提示します。さらに参加者同士のネットワークをつくり、広く物理学分野の魅力を感じていただく機会として、東京大学物性研究所や東京大学宇宙線研究所をはじめとした各機関が連携し実施します。奮ってご応募下さい。
概要
日 時： 2023年11月25日 (土) 13:00-17:00
会 場： ハイブリッド形式での実施 (オンサイト会場は Kavli IPMU 棟)
→全面オンライン開催に変更致します。ご了承下さい。(2023.11.10更新)
対 象： 物理学科はじめ物理を学ぶ女子大学生及び大学院生 (工学系や天文分野の方も大歓迎！)
参加費： 無料
定 員： 30名程度 (事前申込制)
申 込： 応募フォーム (9/25応募開始, 11/14申込締切予定) 申込み締め切りました
通 知： 申し込まれた方に開催情報をメールでお知らせします
問合せ： Email: koukai-kouza_at_ipmu.jp (Kavli IPMU広報)/ Tel: 04-7136-5977
*_at_を＠に変えてお送りください
主 催： 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU), 東京大学物性研究所, 東京大学宇宙線研究所
後 援： 東京大学理学部物理学科, 東京大学男女共同参画室, 日本物理学会, 応用物理学会 (申請中), 高エネルギー加速器研究機構, 東京農工大学工学部, お茶の水女子大学理学部物理学科, 法政大学理工学部創生科学科, 総合研究大学院大学
※本企画はキオクシアホールディングス㈱の理系女性活躍推進活動にご支援いただいております。
プログラム
13:00-13:05：開会挨拶
13:05-13:25：講演1 // 竹内 圭織 (パナソニックホールディングス株式会社 主任研究員）「いつもそばに、物理」
13:25-13:45：講演2 // 清水 志真（高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 助教）「素粒子の世界に戻ってきた！」
13:45-14:05：質疑応答 (講演1, 2)
14:05-14:30：休憩
14:30-14:50：講演3 // 肥山 詠美子（東北大学理学研究科 教授 / 理化学研究所仁科加速器科学研究センター 室長）「目に見えないミクロの世界に魅せられて」
14:50-15:10：講演4 // 大竹 淑恵（理化学研究所光量子工学研究センター 中性子ビーム技術開発チーム チームリーダー)「理研小型中性子源システムＲＡＮＳプロジェクトの設立から今日まで―女性ＰＩだから？-」
15:10-15:30：質疑応答 (講演3, 4)
15:30-15:35：閉会挨拶 (希望者はその後の質問会にも是非ご参加下さい)
15:35-15:45：休憩
15:45-16:15：質問会
16:15-16:45：自由交流時間 (完全終了17:00)
講師の先生方のご紹介
所属/職名：パナソニックホールディングス株式会社 テクノロジー本部 マテリアル応用技術センター 主任研究員
略歴：2014年に東京理科大学物理学科卒業後、東京大学大学院へ進学し、物性研究所松田巌研究室に所属。2016年に修士課程を修了し、現パナソニックホールディングス（株）へ入社。2018年まで燃料電池開発に携わり、現在、車載用リチウムイオン全固体電池開発に従事。
講演タイトル：いつもそばに、物理
講演概要：モノ作りに携わりたいという気持ちから企業に入社しました。失敗の日々の中で、試行錯誤した電池で高い特性が得られました。達成感で満たされ、「作る」事が好きだと、強みであると自覚しました。実はこの「作る」には物理学が基礎となる材料力学・レオロジーを理解する必要があります。また電気化学も同時に習得してきました。新しい分野を学ぶ時いつもそばに物理がいます。私の経験からお話させていただきます。
講演2：清水 志真 (しみず しま)
所属/職名：高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 助教
略歴：神奈川県出身。2009年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。CERN 研究所、名古屋大学、神戸大学を経て専業主婦に。学術振興会 RPD 特別研究員として理化学研究所にて研究復帰。昨年より現職。専門は素粒子物理学実験。
講演タイトル：素粒子の世界に戻ってきた！
講演概要：ものは究極的に何からできているのかへの興味から、衝突型加速器を使った素粒子実験の世界へ飛び込みました。各国から何百・何千と人の集まる大型の国際実験で、粒子同士をぶつけて素粒子の世界を探ります。学生時代はドイツに、その後はスイスに滞在して研究生活を送りました。さまざまなバックグラウンドの人たちと研究で繋がる楽しさがありますが、一方で、生活設計では悩みました。今は育児と研究の両立にあたふたしています。これまでの経験を紹介できればと思います。
所属/職名：東北大学理学研究科 教授 / 理化学研究所仁科加速器科学研究センター室長
略歴：高エネルギー加速器研究機構助手、奈良女子大学理学部助教授、九州大学大学院理学研究院 物理学部門教授を経て現在、東北大学大学院理学研究科物理学専攻教授。理化学研究所仁科加速器科学研究センター室長も兼任。
講演タイトル：目に見えないミクロの世界に魅せられて
講演概要：物質を細かく見ていくと、原子・分子、原子核、クオークなどの世界へとつながっていきます。これらは目に見えない粒子です。しかし、これらの粒子の基礎的な運動を、数学的に解き明かすことができます。このことが不思議で、原子核物理の理論の世界へ入っていきました。どうして私がこの世界に入ったのか、何故研究者を目指したのかということを私の研究を通して紹介したいと思います。
講演4：大竹 淑恵 (おおたけ よしえ)
所属/職名：
理化学研究所光量子工学研究センター 中性子ビーム技術開発チーム チームリーダー
ニュートロン次世代システム技術研究組合T-RANS(国交大臣認可) 理事長
日本中性子科学会 会長
略歴：1989年早稲田大学大学院理工学研究科 理学博士取得（素粒子・原子核理論）同年国立茨城高専 助手、講師。1993年京都大学素粒子物性研究室研究員、1995年フランス、ラウエランジュバン研究所研究員、1996年理化学研究所 SPring8 研究員, 2013年同研究所中性子ビーム技術開発チームリーダー.2020年ニュートロン次世代システム技術研究組合理事長。2022年日本中性子科学会賞受賞,2023年4月より日本中性子科学会長
講演タイトル：理研小型中性子源システムＲＡＮＳプロジェクトの設立から今日まで―女性ＰＩだから？-
講演概要：これまで存在しなかった中性子線を手軽に現場利用可能なシステム開発に2011年より従事。「いつでも，どこでも中性子利用」を目指した開発は2023年度現在、理研小型中性子源システム (RIKEN Accelerator-driven compact Neutron Systems, RANS．以下，RANS）プロジェクトとして3台の中性子計測システムが独立に稼働中であり、さらに高速道路や橋梁現場で非破壊計測を可能とする可搬型中性子源システムRANS-IIIの開発が進んでいます。世界初の装置開発の実現を中心に紹介します。
世話人：
廣井善二(東大物性研), 大栗博司 (Kavli IPMU), 中畑雅行(東大宇宙線研), 森初果 (東大物性研), 村山斉 (Kavli IPMU), 梶田隆章 (東大宇宙線研), 松田巌 (東大物性研), 鈴木博之 (東大物性研), 松尾由賀利 (法政大), 野尻美保子 (高エネ研), 香取浩子 (東京農工大), 古川はづき (お茶大), 餅田円 (東大物性研), 中村牧生 (東大宇宙線研), 小森真里奈 (Kavli IPMU), 坪井あや (Kavli IPMU)
参考情報
・東京大学HPでの第1回イベントの報告記事
・東京大学HPでの第2回イベントの報告記事
・東京大学HPでの第3回イベントの報告記事
・東京大学HPでの第4回イベントの報告記事
・東京大学HPでの第5回イベントの報告記事
・東京大学HPでの第6回イベントの報告記事
・東京大学HPでの第7回イベントの報告記事
・第1回 やっぱり物理が好き！ ～物理に進んだ女子学生・院生のキャリア～ のイベント
・第2回 やっぱり物理が好き！ ～物理に進んだ女子学生・院生のキャリア～ のイベント
・第3回 やっぱり物理が好き！ ～物理に進んだ女子学生・院生のキャリア～ のイベント
・第4回 やっぱり物理が好き！ ～物理に進んだ女子学生・院生のキャリア～ のイベント
・第5回 やっぱり物理が好き！ ～物理に進んだ女子学生・院生のキャリア～ のイベント
・第6回 やっぱり物理が好き！ ～物理に進んだ女子学生・院生のキャリア～ のイベント
・第7回 やっぱり物理が好き！ ～物理に進んだ女子学生・院生のキャリア～ のイベント